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ダンゴムシはなぜコンクリートの上でひっくり返り死んでいくのか?
ダンゴムシが軒下のつるりとしたならされたコンクリートの上で、ひっくり返り起き上がれなくなり死んでいく季節がやってきた。
無数に足のあるダンゴムシがそんなところでつまずくはずもないと思うが、なぜそんなに多くのダンゴムシたちがひっくり返り死んでいくのか不思議だ。
自殺願望のあるダンゴムシが、敢えて自らひっくり返り死にゆくとは思えない。そもそもひっくり返り返ったダンゴムシは、うつ伏せになろうと必死にもがきつづけている。そして力尽きて死んでいく。
オレはいつも息のあるダンゴムシを見つけては、草のある土の上へと転がす。
自然界ではほとんどないつるりとした平たい地面を、人間は地球上の至るところにつくり、無数のダンゴムシを知らないうちに殺しているんだろうなぁと思うと、せめて我が家のダンゴムシだけでも救ってやりたいと少しだけ思う。
だから少しだけ気にかけて、玄関から外に出るときは足元に目をやり、ダンゴムシがひっくり返っていないか調べる。
どんな意味があってダンゴムシは、人工的なそんなところで死ななければいけないのか?そんなところで死ぬために生まれてきたのか?
意味なんてない。意味なんて人間が生きていくためにつくり出した幻想に過ぎない。なのにいまは、その幻想に殺されそうになる。
つるりとした無機質な意味の上でひっくり返り、起き上がれなくなったオレは、どちらが上かもわからないまま、必死に手足をばたつかせダンゴムシのように死んでいく。