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僕の目玉とスマホのカメラ

 夜が明ける前、月がきれいだったからスマホで写真を撮ると、僕が見ている世界の月と違う月が写った。目玉とカメラでこんなに違うのなら、あなたと私が見ている世界もきっとまったく違うに違いない。

 もしあなたが生まれた瞬間から黄色いサングラスを一時も外さずに過ごしていたのなら、あなたが真っ白な月と言っている月は、私にも真っ白な月と言っているだろうが、それは違う色の月だが、簡単にそうとも言い切れない。

 すべての人間は生まれた時から、みんな違う色のサングラスをかけているようなものだ。そして、同じものを見て、そろってリンゴは赤いと言っている。

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