「うまれる」

少年が黒鳥の羽根を拾って空を見上げた世界の始まり

掌に光の欠片散りばめて見えない明日を思い描く日々

薄明の中で目覚める漠然と夢の波間を漂いながら

雨の夜光の海が反射するまぼろしの中をきみは泳ぐ

世界が生まれ現在までの瞬間を想像する今ここにあるあるイリヤ

彼方へと向かっていくのはいつまで? 星の導きから放たれるまで

僕たちの今日も明日も塗り替えて世界を彩ろう指先で

朝に見た空は光で満ちていて再び歩き出す彼方へと

たましいが重なり合って震動するひかりを介する生誕と祝福

灯火を絶やさないよう日常を生きていけたらと強く願う