「春の日」
朝、目が覚めて部屋の窓を見ると、満開の桜が咲いていた。着替えて食事を済ませ、近所の公園へ向かった。
公園の入口の坂道を登りながら周囲を見渡すと、桃色の波が広がっていた。
坂を登りきり、自動販売機でペットボトルのお茶を買い、ベンチの中央に座った。
前方には桜を目当てにしたご老人、子供連れの家族、カップルなどがスマートフォンやデジタル一眼レフを構えて撮影しているのが見える。
空を見上げると、やや黒がかっている青空が広がっていた。
赤い公園のprayを口ずさみながら、遠くへ旅立ったきみのことを思い出した。大丈夫、いつまでもきみのことは忘れないよ。この空を見ているといいな。
涙がほろりと流れ落ちたのを気にせずに、祈りを捧げた。