【読書ノート】ぐうたらな自分を変える教科書 やる気が出る脳
コロナ禍で、いい感じの言い訳ができたのをこれ幸いに、毎日ダラダラしちゃってませんか?「どうせ人に会えないしね〜」「外に出ても人混みは怖いしね〜」なんて言いながらゴロゴロしちゃってませんか?人に会えないと言ってもオンラインでは会えるし、人混みはダメでも自宅で身体を動かせるし、何よりやるべきことは家の中でもじゅうぶん作り出せます。コロナ禍のせいでやる気が激減中だとこぼしてるあなた、ぜひこの本を読んでみてください。
今回はすばる舎の課題図書である加藤俊徳著「ぐうたらな自分を変える教科書 やる気が出る脳」を読みました。私はもともと頭が切れるタイプではないのに、そこに加えて年齢を重ねるにつれて、さらに物事を忘れっぽくなり、そのせいでイライラしてしまうし、どうしたものかと悩んでいた時期がありました。それを解消するべく脳科学系の書籍をいろいろ読んで、少し改善した兆しがあります。今回読んだ教科書はその一部を裏づけてくれるような内容で、そこに書かれているアドバイスとその効果の仕組みは記録に残す価値があると思ったので、Noteに残すことにしました。個人的に大事だと思ったのは、脳への刺激、睡眠、運動の3点。その3点から最後に書いた生きる上での心構えに結びつけました。
脳への刺激
よく活動している人は、自分のことが大好きかつ自分自身に興味を持っている。それがエネルギッシュでいるための第一条件、だそう。だからこそやる気のある人々は脳の動きを止めずに、次から次へと新しい経験を積み続けます。
この年になると、いくら不器用な私でも人生を生き延びるコツを掴んできます。そうすると思考も行動もパターン化してきて、そのせいで新たな経験へのモチベーションとなる「欲求」がなくなってくる、と書かれている現象はぴったり当てはまります。それによって脳が合理的な最短ルートを作ってしまうと、脳は最小のエネルギーしか使わなくなってしまいます。そうやって脳慣れした毎日が「新しいインプットがほしい」という脳で生み出される欲求を覆い隠してしまうそうです。
さらに恐ろしいのが、40歳くらいまでは、脳を使っていなくても現状維持が可能ですが、それ以降はそのまま衰えていくとのこと。だからこそ、普段から、さまざまなものごとに触れておくほうが安心です。勉強は学生時代だけ、なんて考えているのはどれだけ愚かなことなんだって話ですね〜。普段の仕事に、手持ちの知識で完結できることだけではなく、少し見通しが立ちにくいことをあえて取り入れていくことが大切だそうです。
そうやって目新しいものに触れることによって興奮すると、脳の神経細胞の活性化につながります。情報を受け取ったときに「すごい、どうして」というふうに、いったん感動に落とし込んで、記憶に最初のインパクトをつけます。活動的な人は総じて「人生を面白くしよう」と、満足度が高くなる方を目指す脳の回路が自然とできているんですって。確かに〜。たまたま興味がある分野に関係する仕事が舞い降りてくると、驚くくらいの集中力が湧き出てきますもんね。
反対に、やる気が欠如する時というのは、未発達の脳番地によってそれが引き起こされています。全部で120もありますが、とくに影響が強いのは次の8つ。
思考系脳番地
視覚系脳番地
聴覚系脳番地
理解系脳番地
伝達系脳番地
記憶系脳番地
感情系脳番地
運動系脳番地
自分が苦手なことを考えると、どの脳番地に問題があるかが自ずと分かります。私の場合は特に問題なのが2つ。「うまく言葉にならない、受け売りしか話せない」→伝達系脳番地。もうひとつは「ものごとをネガティブに考える、ずぼら」→記憶系脳番地。
まずは伝達系脳番地の問題点ですが、人にイメージを伝えるときは、非言語処理担当の右脳と、言語情報処理担当の左脳が、言語交換をすることから始まります。これはなかなか問題で、というのも私はいわゆる左脳派なので、そもそも右脳を使って非言語情報を受け取ること自体が苦手なのです。左脳を使って言葉にする以前の問題のようです(恥)。普段から自分のエピソードや考え、思いを言葉や図にして人に伝える訓練が脳の発達に結びつくと著者の加藤さんは説明します。
これに関しては、別の書籍でも似た系統のことを学んだことがあり、読書によるインプットはもちろん、普段生活を送る中で感じたことなども、ジャーナリングやこのnote上でアウトプットをするようになりました。
ネガティブ人間な私にとっては、記憶系脳番地も改善要。記憶というものはできる限りポジティブに変換したほうが、行動力アップにつながるそうなので、あまりネガティブな人と付き合うのは良くないな、と感じています。
自分としては「イヤなことばかり考えて何も手につかない」と思っていても、実際は何日も何年も、限局的な記憶を機械的に掘り返しているだけで、何かを考えているわけではありません。
無駄に「トラウマ」を掘り起こす思考回路は、数々の脳番地の動きを止めてしまうので、ネガティブな記憶はさっさと新たなポジティブな記憶で上書きするのが効果的だそうです。あと日常で話すネガティブな言葉をノートに書くことによってマイナスな言葉に気づき、それをプラスな言葉に変換すると前向きになれるんですって。
睡眠
脳が正常に働かない大きな要因のひとつが睡眠です。これはどの本にも書かれている事実ですが、仕事と育児に追い回される私にとっては、解決がなかなか難しい分野です。
疲れたり眠たくなると、脳の覚醒レベルが下がります。私たちの行動は脳覚醒のベースを上げていかないと、どんなに頑張ってもベストを尽くすことはできません。自分のスタミナを毎日記録することによって、脳覚醒のレベルを点数化できるそうで、自分自身の感覚を知ることは何よりも大切だそう。ここでもジャーナリングは役立ちそう。
ちなみに成人の場合、1日に7〜9時間の睡眠が必要です。私の睡眠は平均6時間。たった1時間の差は大きいとのこと。実際に、睡眠が6時間の人たちと7時間の人たちを被験者にした実験があります。 寝る時間が少ないと、アルツハイマー型認知症の引き金になると言われる「アミロイド β」というアミノ酸からなるペプチドが、脳のなかにたまってきます。つまりアルツハイマー型認知症とは、脳の神経細胞がたくさん死んでいった結果なのです。いや〜これは怖い!7時間睡眠目指すぞ!まずはこの記事早く書き終えなきゃ。
覚醒レベルが下がると、自己認識が弱くなり、つい人と比べてしまう負の回路にはまりやすくなります。そういう時は自分なりのストーリーを設定するのが効果的。「なんで俺じゃないんだ?」と負の回路にはまるより、「俺は敵を倒すストーリーを作る人だ!」とアクションにつなげたほうがいいに決まっています。脳には「状況に適応することしかできない」という仕組みがあるので、可能性は五分五分だったとしても次のステップを見出そうとする人は、僅かな可能性に入り込もうと脳が働くという仕組み。
これはとーっても分かりやすくて行動に移しやすいアドバイスで、この言語化された概念を勉強できただけで、この本を読んだ価値があると思いました!たとえば私は仕事上で多くの辛い思いをしてきましたが(っていうか現在進行形)、落ちこんでやけ酒を飲む代わりに、困難をくぐり抜けてトップに立つ主人公を演じるドラマの中に身を置くほうが具体的な行動が自然に浮かぶ、ということですよね。
運動
どの書籍でも運動の大切さは説かれていて、ここでも例外ではありません。
脳の仕組み上、 動けば動くほど動くのがラクになり、動かなければ動かないほど動くのが苦痛になるからです。めったに人に会わない人だと、ひとり会うだけでもすごいエネルギーを使いますが、しょっちゅう新しい人に会っている場合はそこまでの負担はありません。
そうそう、これです。私も運動を始める前は40代間近で驚くほど体力が落ち、幼い娘たちに理不尽に怒りをぶつける毎日でした。自己嫌悪の最中、自分自身を分析してみると、疲労度が高いときほど怒っていることに気づきました。「それじゃ、疲れない体を作ればいいんじゃね?」と思い立ち、忙しいスケジュールの中に短時間のランニングと筋トレを組み込んで、それを10年近く続けています。もちろん効果は絶大で、その変化がなければ私と娘たちの関係性は今とは比較にならないくらい悪化していたと思います。
筋肉がない人が重いものをもとうとすると、運動系脳番地は身体のバランスを取るために、身体中の筋肉に指令をとばさなければなりません。そのためにたくさんの酸素を使ってしまうので酸素効率が下がるのです。これは、老化現象を考えると明らかです。老化現象というのは、酸素効率が下がったことで、筋肉も脳もうまく動かなくなっている状態です。それで力もスピードも出なくなるのです。身体能力が高いというのは、運動系に負担をかけるムダな動きがないことです。
筋トレ大事!私は有酸素運動から始めましたが、効率を上げるためにも筋トレを取り入れ、身体もかなり引き締まりましたよ。あと筋肉だけでなく、体の歪みも体力と脳の消耗に直結していると書いてあるので、ピラティスのような運動も取り入れるといいのかも。
最後に。一生勉強、一生青春!
「一生勉強、一生青春」は相田みつをさんの名言です。高校の卒業式で担任の先生が黒板に大きく書いてくれたときにこの名言に出会い、今でも私の座右の銘です。勉強は身体と心のやわらかさを保つために継続する必要があるのです。
前述の、自分なりのポジティブなストーリーを設定する、という戦略の他に、もうひとつよい勉強になったのが、こちら。
やる気を保ち続けるには、肉体の年齢ではなく、脳の欲求にしたがうことが大切なのです。 行動的な人は、年齢より自分の好みを優先して、服装なども若々しいものを選んでいることが多いです。
著者の加藤さんによると、脳の成長の仕方は本人の肉体より10歳若いそう。脳よりも身体のほうが早く老けてしまうので、自分のやりたいこと・楽しみたいことは、どうしても外見とギャップが出てきてしまうんですね。だからこそ、それを熟知した上で、心の声(つまりは脳からの指令なわけですが)に耳を傾けることが大事、とおっしゃっています。
私は「もう年だから」という考え方が苦手でチャレンジ精神が旺盛なタイプですが、同年代の知り合いサークル(特に日本人)とのバランスを保つために大人しくしていることもあります。50近くなって、ブロガーやって、新しい楽器習い始めて、アメリカ人に混じってスピーチクラブに入って、短パン履いて外をランニングして、なんて暮らしをしているものだから、実家の母にも呆れられます。一度きりの人生だから後悔はしたくない、と自分に言い聞かせて毎日を送っているわけですが、こうやって脳科学的に私の歩んできた道が正しい、と言われると、一安心です。
脳の活性化のためにも、刺激のある毎日を送り続ける!と決意を固めた私@40代後半でした。