【リミックスポイント】2021.3期-3Q決算
【経営成績】
★業績予想については会社未開示であるため、実績×4/3で簡単に計算している。
★対前期で、▲401mの減収。▲183mの減益。あれだけ仮想通貨の相場付きは良かったにも関わらず。ただ、年明け、1月以降にBTCなんかは更にブーストしていたので、本格的に決算にも好影響が出てくるのは4Qなのかもしれない。
★それゆえに、単純に、*4/3している上記の業績予想は結構保守的な数字になっているかもしれない。
【簡易営業CF】
★3Q決算であるためにCF計算書の開示はなし。そのため簡易的な営業CFを作成している。
★これで簡単に計算すると、3Qまでの仕上がりは▲26億円ときつい。大きくは、在庫の増。つまり、仮想通貨の値上がりによって在庫がブーストされているためである。
★当然これでPLも多少は良くなっているのだろうが、BTCなんかをロングキープしたりするキャッシュ、つまり日本円はむしろ苦しくなっているはずだ。だから、増資もした。
★ついでに言うと、預託金、という勘定が登場している。これはおそらく顧客の預かり日本円を信託銀行に信託していることで発生した勘定。資金決済法の規定で、暗号資産業者は、顧客の日本円を信託会社に信託しなければならなくなった。そして、この信託財産は全部が顧客資金、というわけでもなく、顧客売買なんかの増減をバッファするための保全金みたいなカネを自分のサイフから拠出しなければならない。その負担がおそらく1,300万円程度発生している。ただでさえ苦しいお財布事情を更に切迫せしめているであろう。
★1,300万円の保全量は、顧客の預かり日本円が31億円の内のたった0.4%程度。これはかなり薄いという実感である。
★私が当社の財政責任者ならば、これを少なくとも、3%くらいにはしたいと考えるだろう。つまり最低でももう10億円くらいおかわりしたい。それくらいBTCの単価は動くのである。
★この日本円の感じだと、当社は、金融業としての自己資本規制比率の計算でも汲々のはず。カネはいくらあっても足りない。もし増資してくれるならばいくらあっても足りない。これが現在の暗号資産交換業の苦しい資金運用の実態と思われる。
【財政状態】
★自己資本比率が19.3%、増資したばかりとは思えない薄さ。
★d/e Ratioが0.2倍。借りている仮想通貨も単価がブーストしてBSを毀損しうる。まだそこまでのダメージではないが。
★ネットキャッシュは+で167mil 黒字が意外なほどの当社だが、これだけ薄いネットキャッシュは自己資本規制比率などは結構厳しいものがあるのと推察される。
★時価総額が131億円程度。
→顧客日本円預かりが31億円。顧客暗号資産預かりが160億円くらいある。
→適切なバリュエーションかどうかの議論はさておき、暗号資産交換業に興味がある会社なら、130億円が高いのかどうかは不明。
→ただ、130億円が暗号資産交換業の正味の評価というわけではないのでややこしい。
【各経営指標】
★大赤字であるため、ROE, ROA, PER, ROIC, EBITDAなどはネガティヴになっている。
★PBRが2.5倍。高いのか安いのかもはやわからない。
★カネはいくらあっても全然足りない台所事情。当然配当などはしない。
【総括】
3Qとは2020.10 - 2020.12の3か月間。BTCはじめ、暗号資産の相場付きは全然悪くなかった。というよりも良かった。
コロナ禍で、法定通貨がジャブジャブと供給され、法定通貨の価値が毀損されたと捉えられ、それらの余った法定通貨で機関投資家やリテールが暗号資産に買い向かった。ペイパルやイーロン・マスクなどの暗号資産の相場へのインも大きなニュース。しかもポジティヴなニュースと取られられている。
2021/3/3現在、金利が上昇。割引計算で不利になるグロース株などが売り気配になる中、BTCも多少の暴落があった。しかしそれでも500万円のポイントはそう簡単には割らない印象。
BTCの足腰は、2017年、XEMがコインチェックでパクられた当時などとは比較にできないほど強くなった印象。そう簡単には折れない。
あとコロナが収束しそうでしない、それもBTC高騰と切っても切れない関係がありそう。コロナとBTCはこう言ってはなんだが相性が良すぎるほどに良い。
当社にとっては当然に追い風になるはずであり、本格的にBTCがブーストした4Qはそれなりに良い決算になるのではないか?
あるいは、BTCを買って大きな日本円を手にした顧客などの出金をいなすために、財政状態はむしろ悪化している、というような背景もあるのかもしれない。
結局今後の規制の行方やコロナはじめマクロ経済状況次第では本当にどうなるか分からない混沌とした暗号資産市場ではあるが、その渦中にあって、木の葉のようにヒラヒラ揺らされながら当社がどこまで頑張れるのか引き続き見物ではある。
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