【ノザワ】2020.6期-1Q決算

ビル外壁に使われる押出成形セメント板メーカー。工法開発に積極的。環境関連製品を育成。

【経営成績】

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★コロナ直撃Qにおいて増収増益している。(セメント板需要などは遅行指標か?)
★営業利益率は1.7%→6.9%へと大改善。
★業績予想は4.5%の営業利益率を見込むが悪くない。コロナ禍はじめ、マクロ経済環境を上手くドライヴできるか進行年度では試される。ただ欧米諸国とは違い、中国などはコロナ禍を征服しつつあるように見えるので、割と良い線いってる計画なのではなかろうか。

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★主業である押出成形セメント製品が強い。

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★簡易な営業CF計算書を作成。(CF計算書は現状、必ず開示しなければいけないものではない。ただもうCF計算書を開示しないという姿勢は時代にそぐわないものになりつつあるとは思う)
★税金などは加味していないベースで多少甘く見て、+4.8億円程度ではないだろうか。ご時世的にはCFは黒字で御の字だと思う。
★棚卸資産が増加して、▲263milだったが、売上債権の減少で+369milで取り戻している。
★PLもCFも黒字でひとまず安心。

【財政状態】

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★自己資本比率 46.5%
★d/e Ratioは0.02倍。
★ネットキャッシュが+49億円。対総資産比率19.1%
★財政状態もすこぶる健全と評価できるでしょう。
★時価総額が76億円。ネットキャッシュが49億円の会社にしてはサイズ感は寂しいものがある。

【経営指標】

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★ROE,ROA,ROICまあまあ。もともとそこまで利益率の良い商いではない。キャッシュが厚いのでここはそれなり。キャッシュが薄くて多少ROEが良いよりよほどマシ。
★グレアム指数が7.7倍。PBRが0.63倍。また不当に安いように思われる。
★EV / EBITDAは1.7倍。滅茶苦茶安い。
★配当利回りは3%弱。配当性向も頑張ってる感のある数字です。

【総括】

PL/CFがともに黒字であるというのはとても良かったと思う。
(PLが黒字でも、CFが赤字、なんていうことはいっぱい例はある。売掛が回収できないとか。棚卸資産に原価を吸収させているとか)
だから、PLで赤字だ黒字だと騒いでいてはいけないでしょう。大事なのはCF。カネさえあれば渡世はしのげるわけです。
だからネットキャッシュは大事。黒字であることが大事である。
もし不穏当にレバレッジをかけた経営をしていたら、こういうコロナ禍の時にしのげなくなる。とにかくカネが大事。Cash is Kingである。
だから、キャッシュがBSを重くする分には悪くない、と考えている。変にROEが良い会社よりキャッシュが多い会社のほうが経営としては共感できる。(のれん、とかはつまり、将来に費用になる塊であり、資産、と名付けられていても、何の価値もないと思う)
だから、ROEはどうでもいいけれども、ROAとROICは大事です。利益率を伸長するのは企業の命題でしょう。
そういう意味で当社も、利益率が高くないという課題はある。
ただ利益率は確かに高くないのだが、グレアム指数7.7倍、PBR0.63倍はいくらなんでも安かろうとは思います。

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