毎春恒例、盆栽の植え替えをしました
今年もこの季節がやってきました。
先日の記事でも書いたように、植物はこの時期に最も成長します。
伸びきった根っこを取り除き、栄養が少なくなった古い土を入れ替えることで、夏を乗り切るための土壌を作ります。
今回は以下の3鉢。
・山紅葉(買ったときのプラスチックのポットに入れっぱなしだった)
・白丁花(鉢底から根っこが飛び出してた。前回植え替えたのは確か2年前)
・唐楓(苔がボロボロで根っこが土から飛び出してた)
改めてよく観察したらけっこう劣悪な生育環境だった…
ごめん…
昨年実家を出てから、今の家では一度も植え替えをしたことはありませんでした。
「ベランダが狭いし水がすぐ出てくる蛇口もない」という理由で敬遠していたけど、そんなことで盆栽を枯らすわけにはいかず。今回に至ります。
(ちなみに根っこが育ちすぎたまま土を替えないでいると、余分な根っこが腐り始めて、枯れてしまいます)
とりあえず、必要なものを準備。
新しい土、シャベル、水、割り箸、はさみなど。
まずは写真右上の山紅葉から。
これは葉が緑色にならず、新芽からずっと紅い品種。(紅葉は品種が多すぎてわかっていないけど、おそらくちゃんとした名前があるのだろう)
幹の太さからすると5年目くらいかな?根っこもけっこう張ってます。
植え替えの動作は、基本的には
抜く→土と根っこをほぐす→要らない根っこを切る→土を入れながら鉢に戻す
という感じ。詳しくは以下。
①鉢やポットの底から押して(または優しく鉢を叩いて)樹を土ごと抜く。
②絡み合った根っこを解く。
③割り箸などで古い土を優しく落とす。
④余分な根っこをはさみで切る。(種類にもよるが、雑木類は根本近くを残してかなり切り詰めてもOK)
⑤植え替える鉢の底にネットを引き、新しい土を薄くかぶせる。
⑥木の根元を持ってちょうどいい位置まで根っこを入れる。根っこと鉢の間から土を入れていく。
⑦ある程度土を入れたら、一回鉢をトントンして中の土を均す。土が足りないところを埋めていく。
⑧水を優しくかけて、細かい土(微塵)を流す。
⑨鉢底から流れる水に微塵が混ざらなくなったら、割り箸をスッスッと土にさして、空気を入れていく。土が足りなくなっているところに少しずつ足していく。
⑩⑦〜⑨をもう1回くらい繰り返し、土の表面を平らにする。(あればその上に苔を貼る)
根を解く作業、けっこう面倒臭そうに見えるけど、やり始めるとかなり無心になります。というか、楽しくなってきます。
一番根が張ってた白丁花は15分くらいひたすら土を落としてたと思う。
あと、土や木の根を無心でいじっていると、なまものに直に触れているなという感覚がある。不意にラピュタに出てくるシータの台詞「土から離れては人間は生きられない」を思い出したりもする。植物は犬猫のようにわかりやすいリアクションを取ったりはしないけど、こちらが手間隙かけていればいつかのタイミングに何かの形で(花が咲いたり紅葉だったり実がなったり、その他さまざまな変化で)応えてくれる生き物なんだなと思っている。
最初は根っこを切るのも怖かったけど、植物は思った以上に強くてしなやかなんだということが言語ではなく感覚でわかってきたなぁ。
今回もそれぞれ10〜20センチくらい切ってるけど、たぶん大丈夫だろう。
結果、こんな感じになりました。どん。
い、いい感じだ〜〜〜!
できたら他の樹も植え替えなければ…(若い樹はできれば1年おきくらいに植え替えるといいので)。あと本来ならば今回の3本とも、もう少し大きい鉢に移してあげたいところ。スペースの都合でやむなく同じ鉢で土を替えただけになりました。
ちなみに今日の3本は全て奈良の塩津先生のとこで買ったもの。
コロナが落ち着いたらまた行きたい。
単なる実作業の紹介になってしまいましたが、ここまでがっつり根っこの手入れができるのは春だけなので… 逆に言えば今この作業をちゃんとやっていれば、あとは毎日水やりを欠かさずにするだけです。それだけですくすく育ってくれます!
意外と簡単だし、在宅ワークなどで倦んでしまいそうな人の心にも効くかもしれません。そうだといいな…。(というか自分がそこそこ元気なのは盆栽のおかげなのかもしれない)
というわけで、引き続きベランダの春を楽しみたいと思います。