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『魂の光』解説年間講座 第2回レポート(後編)

今週も『魂の光』解説年間講座第2回のレポートを書いてみます。

先週はチッタのブリッティ(心の作用)について4つの本に書かれている内容を見ていきました。

今週は、チッタのブリッティ(心の作用)をニローダ(止滅)する方法について見ていきます。

アッビャーサ

サンスクリット語って声に出して言いたくなっちゃう魅力がありますよね。
アッビャーサ!は「繰り返し反復して努力する」という意味です。

何度もあきらめず繰り返し練習すれば、必ずYOGAは達成できる、とパタンジャリ先生は言います。

そしてその際大事なのは明確な目標を持つことだそうです。YOGAを達成してどうなりたいか?
明確なビジョンを持ち、そして必ず達成するんだ!という固い意志を持ってやり続ける。

YOGAに限った話ではなく、何か大きなことを達成する時は一緒ですよね。
夢もあきらめなければ必ずかなう。

でも夢と違うところはYOGAは実証されているステップを踏めば良いというところ。科学的に達成可能なのです。


ヴァイラーギャ

テジナーニャ!のテンションで言いたくなる、ヴァイラーギャ!
 "Vi" が "~のない"、"raga" が "色"という意味なので「色のない」という意味だそうです。

心に色付けをしないこと、心が他の欲望によってそらされないようにすることがヴァイラーギャ(離欲)です。

アッビャーサをしていたとしても、ヴァイラーギャが欠けていたら、どんな修練だろうと絶対に成功しないそうです。

例えば、教会に行って神様に祈りを捧げている最中に「あ、〇〇ちゃんも来ている。帰り際誘ってカフェに行ってケーキ食べよう!」とか考えてたらダメだということですね。


ヴァイラーギャな人生ってつまらなくない?

本当これずっと疑問に思っていました。離欲、なにごとにも執着しない生活なんて、まさに「色のない」人生。

そんなのつまらないじゃん!解脱とか目指す意味わからん!!と思っちゃいます。

ここで先週やった「クリシュター」と「アクリシュターハ」を思い出してみます。
利己的な思いは、そこに見返りを求めると、「楽」も「苦」となってしまうと言っていました。

利己的な欲望は自分を縛るけど、純粋で無私な欲望には、期待というものがまったくないので、結果がどう出ようとも失望を知らない。よって、離欲=楽というわけです。


とはいえ!!

とはいえ、美味しいものを食べたり、イケメンにドキドキしたり、時には友達と飲んだくれたりする人生の方が楽しいに決まっている! そう思っちゃいますよね?

何もかも棄てて無私・無欲になると何の楽しみもなくなってしまうと思ってしまうのですが、それは違うらしい。

自分のためでなく人のために奉仕すればするほど、大きな幸せを味わうことができるというのです。

物や地位を持っていても永久に幸せであることはできない。持てば持つほど不幸になる。失うのが怖いからだ。
何も持たないからこそ<自己>を持つ。それが秘訣だとのこと。


とはいえ!!!

わかりますよ。人が喜ぶ姿を見るのは自分の喜びとなるし、お金や地位を持つことが幸せとは思っていない。

でも、やっぱり今まで当たり前のように享受してきた「欲」を満たすことに上回る離欲の世界があるとは思えない。

もうこうなったら私とパタンジャリ先生の戦いですわね。

しかし敵もさすがです。「高次のヴァイラーギャ」というワードを出してきました。

通常のヴァイラーギャは心が私的な欲望や快楽から離れていること、ですが、高次のヴァイラーギャでは自己の平安と喜びを悟ることに成功しているので、過去に経験したささやかな快楽の印象など、燦然と輝く太陽の前に置かれた凡庸な光のシミと化すほどの平安と至福を見出す、のだそうです。

「過去に経験したささやかな快楽の印象など、燦然と輝く太陽の前に置かれた凡庸な光のシミと化すほどの平安と至福」ですって!!

そんな、今まで「快楽」だと思っていたものをそこまで超越する「至福」があるのだとすれば、それは目指す意味があると言えますね。


とはいえ!!!!

やっぱり、とはいえ、高次のヴァイラーギャに達するのは相当なアッビャーサが必要なわけで。
離欲をしきれず苦しい時期というものがあるのですよねきっと。

でも低位のヴァイラーギャでも、心の平安は経験できるそうです。
しかしこの平安は真の平安が、静かな心にただ映っただけのもの。
でも、それは確かに映ったものでしかないが、いったんそういう像がしっかりと映ってしまえば、真の体験はおのずからやってくる、とのこと。

一瞬でもその平安と至福を味わったら、「あの喜びをもう一度!」と離欲の努力をすることになるのでしょうか。

でもそれはそれでまた「欲」な気がするのですが違うのでしょうか。

まだまだわからないことが多いYOGAです。

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