【詩】
また電車に乗り遅れた
と眠りから目が覚める
駅の階段駆け上がって
息切らして閉まるドア
見送る列車の行く先に
いったい何があるのか
ひとり残されたホーム
考える左の脳が考える
風は秋の匂いを連れて
胸のなか何かを落とす
“なんだっけ”振り返り
感じて右の脳が感じて
次の列車は各駅停車で
ゆっくりシート腰かけ
窓の外別の景色眺める
考えず考えずに窓の人
風が抜きつ抜かれつし
“思い出せ”“思い出せ”
僕の窓をそっと叩いて
ベッドのなかようやく
それに気づき窓開ける
tamito
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#詩 #おいてけぼりの国