Tamiken

インフラ業界からIT業界に転職し、企業法務10年目でマネージャーをしているビジネスマン…

Tamiken

インフラ業界からIT業界に転職し、企業法務10年目でマネージャーをしているビジネスマンです。現在はコーポレートガバナンス、商事法務、M&Aを専門にしています。

最近の記事

「人と組織」が日本社会の足かせではないか

私の仕事の専門は法務ですが、社内コンサル的な仕事も行うことがあります。 いきなり話が脱線しますが、法務という仕事を抽象化すると、「現状把握→あるべき姿の設定→原因の抽出→課題の設定→打ち手の提案」という思考のプロセスを辿るので、結構コンサル的な仕事と親和性が高いのではないかと思います。とはいえ法務という職種が取っ付きにくいと言われるのは、使用する用語が独特なので、注意しないとコミュニケーションが下手になってしまう点だと思います。 さて、久しぶりにシステム開発を求められる社

    • サラリーマン社長よりも同族企業が良い理由_シライ電子の事例で考える

      アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは、アップルを創業した後、会社から追放されました。 その後、業績不振に陥ったアップルはスティーブ・ジョブズに戻ってきてもらい、世界的な超大企業になったという話は有名ですね。 アップルの話から得られる教訓はたくさんありますが、誰がリーダーかということが組織にとって非常に重要であるというのがひとつの教訓です。 さて本題です。 同族企業と聞くとどのようなイメージでしょうか? 「社長が独裁的で閉鎖的な会社である」「社長が会社のお金を

      • コーポレートガバナンスが重要な理由_エージェンシー理論とシライ電子

        コーポレートガバナンスとは、「株主による経営者に対する監督」を意味します。 経営者による会社組織の統制という意味はコーポレートガバナンスに含まれませんのでご注意ください。 株主による経営者に対する監督とは、具体的には、指名と報酬という人事権を株主が行使することを意味します。 株主による監督が適切に機能していれば、業績の悪い会社では、社長の報酬は低くすることができますし、今後業績の改善が見込まれなけば社長をクビにすることができます。 当たり前ではないか、と思うかもしれま

        • シライ電子工業の株主総会に出席しました

          シライ電子工業の株主総会に出席してきました。 結果としては会社側の提案が可決されましたが、一般株主からも基治社長の解任について疑問があるという声が多数ありました。 私も質問をしてきたので質問の要旨を備忘録として記載します。 私の質問要旨 シライ電子の動きが怪しいと感じられる点が2つあります。 取締役の選任手続きと治夫さんの復帰です。 指名報酬委員会の設置と候補者の決定の順番が逆であり、取締役の候補者決定時に治夫さんが関与していたことが疑われます。 また、顧問契約を今年の

        「人と組織」が日本社会の足かせではないか

        • サラリーマン社長よりも同族企業が良い理由_シライ電子の事例で考える

        • コーポレートガバナンスが重要な理由_エージェンシー理論とシライ電子

        • シライ電子工業の株主総会に出席しました

          シライ電子のお家騒動_今の経営陣で本当に大丈夫なんですか?

          2024年3月14日の代表取締役社長解任から現在に至るまで、シライ電子の一連の動きはコーポレートガバナンスの観点から非常に面白いです。 一方で、私自身はシライ電子の株主であり、株主としては心配な面が多々ありますので、シライ電子の状況について解説したいと思います。 シライ電子についてシライ電子について簡単な紹介です。 この会社は白井治夫(はるお)さんという方が京都で創業し、最近まで孫の白井基治さんが社長を務めていた京都発祥のファミリー企業です。 同じく京都発祥の任天堂の爆発

          シライ電子のお家騒動_今の経営陣で本当に大丈夫なんですか?