保阪正康氏は戦時下の官僚の責任を問う。
辻清明氏は、昭和22年10月の時点で、日本官僚制と「対民衆官紀」の論文に問題の所在を次のように述べている。
何が問題だったのか。
民衆に対する特権的な意識であるという。
明治維新いらい、近代化は表面的には進んできたが、民衆の意識のなかには依然江戸時代の意識が根強く残っていることだ、という。
保阪正康氏はその著書で、軍事官僚のトップの東条英機が、国民に対してどう思っていたかを述べている。
戦前の官僚制が問題だったかもしれないが、さらにその精鋭である陸軍の世界はさらに異常ともいえる世界だった。
そこには国民目線はなく、エリート意識に固まり、反論は許さない無謬神話に彩られた世界である。