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【本を読む003】物を持ちすぎると幸せは遠くなる/『簡素な生き方』 著:シャルル・ヴァグネル 訳:山本知子

仕事もがんばっている、家のこともがんばっている。
家族に不自由な思いをさせないよう、たくさん稼いでたくさん便利な物も手に入れた。
なのにいつまでたっても満たされない。
あと、漠然と不安だ。

…このような正体不明のモヤモヤとした気持ちをかかえている人、かなり多いのではないでしょうか。

こういった不安や不満を感じていたのは現代人だけではなく、かなり前の時代からだったようです。

1895年にフランスで出版された『簡素な生き方』。いまから120年以上も前の本ですが、この時代の人たちも同じような不安・不満をかかえて生きていると書かれています。

私が見たところ、現代のほとんどの人が自分の境遇に不満を覚え、何よりも物質的欲求に振りまわされ、未来への不安にとらわれているようです。(25ページより)

簡素な生き方:シャルル・ヴァグネル著

著者のシャルル・ヴァグネルは教育者でもあり、牧師でもありました。
日本ではあまりなじみがありませんが、本国フランスでの社会教育、初等教育の発展に大きく貢献した、ヨーロッパやアメリカでとても有名な方だそうです。

私たちは自らの手で人生を複雑な問題だらけにして、楽しみを取り去ってしまったのです。
うわべだけをとりつくろっただけの複雑な生き方をし、その後遺症に苦しんでいる人はたくさんいるはずです。そこで私は、そうした思いを言葉で表現し、「何もかもが複雑だ」とただ嘆いている人々を、なんとか励ましたいのです。(23ページより)

簡素な生き方:シャルル・ヴァグネル著

この本では、ヴァグネル先生が簡素(シンプル)な生き方を欲求・お金・社会・教育……と教えてくれています。

以下のような人にこの本はおすすめです。

●いろいろがんばってるのにいつまでも生きづらさを感じている人
●漠然とした不安を感じている人
●どうしたらもっと楽に生きられるのかヒントが欲しいと思っている人
●ミニマリストに興味がある人、ミニマリズムをもっと学びたい人

簡素=シンプルな生き方について書かれた本書。モノも情報もカンタンに手に入る現代のわたしたちに響くことばがたくさん書かれています。今回はチャプター1「複雑な生き方」をのぞいてみます。

物をもちすぎると本当の幸せが遠のくのはなぜ?

買い物をしてしばらく経つと、もっとほしい、もっとかっこいいやつがほしい、もっといい物がほしい…と欲が大きくなっていく経験を一度はしたことがあるのではないでしょうか。

捨て活をする前、わたしは服が好きでした。他人がさらにいい物をもっているのを見たり、雑誌などでかわいいものを見たりすると、買ったばかりなのにまたほしくなって散財ばかりしていました。

つまり欲に負けていたんですね。欲に従っていたことで、お金はなくなるし、部屋に物がたまるしで、ずっと満足することができなかったんです。

物をどれだけもっても幸せになれません。必要な物はすでにもっている、
幸せはすでに自分の足元にある。このことに気づかないかぎり、幸せを感じることはできないのです。

私たち人間は、「自分は前より幸せだ」と感じないかぎり、仲良く平和に暮らしていくことはできません。(27ページより)

簡素な生き方:シャルル・ヴァグネル著

「心の掟=自分軸」をもつ

著者によれば人間は「心の掟」をもつことが必要といっています。

自分の心のなかの掟を自覚して大切にする人は、その掟にしたがいます。すると、自由に生きるのにふさわしい存在となります。心のなかに崇高で揺るぎのない掟をもたないかぎり、自由の空気を吸うことはできないのです。(32ページより)

簡素な生き方:シャルル・ヴァグネル著

わたしが思うに、心の掟とは自分軸をもつことだと思っています。

他人の考えを優先するのではなく、自分がどうしたいか。自分軸がある人はまわりに影響されず、自分の考えで判断できるようになります。ゆえに簡素(シンプル)な生き方ができるようになっていきます。

自分軸ってなに?と思った人はこちらの記事もおすすめ。

おわりに


本書は1895年に書かれた古いものですが、ストレートに刺さる言葉ばかりです。120年以上前より確実に複雑になった時代を生きるわたしたちだからこそ、簡素な生き方はより必要なんだと思います。

すこし読みにくく感じる部分もありますが、名言がたっぷりつまった読みごたえのある名著でした。

わたしもまだまだ理解しきれていない部分も多いので、手元に置いてときおり読み返そうと思ってます。

紙の本はこちら↓

Kindle版もあります↓


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たみこ
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