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うさぎ目当てで「いきもの賞玩」後期へ

「皇居三の丸尚蔵館」で開催中の「いきもの賞玩」、後期の展示を見てきました。

前期も行きまして入手した図録を眺めていたら、前期には展示されていないもののなかにうさぎの姿が。ほかにも見たいものもあったので、行ってきたのでした。

三の丸尚蔵館といえば……の伊藤若冲の動植綵絵、後期は《池辺群虫図》。

ヘビやカエルにたくさんのオタマジャクシ、イモムシ、チョウチョにトンボ、イモリ、ヤモリなどの小さい生き物たちがたくさん! それぞれの生き物たちを主人公にした物語が作れそうです。なかでもカエルは、同じ方向を向いている一派と、別々にいるカエルとの間にはどんな物語があるのだろう? なんて思ったり。

《池辺群虫図》について「紡ぐプロジェクト」のサイトで詳しく説明されていました。

ワンコもいましたよ。円山応挙のお弟子さんの山口素絢《朝顔狗子図》。(撮影OKでした)


山口素絢《朝顔狗子図》

真ん中のワンコのぶっとい前足! 右のワンコのアンニュイな背中! 左のワンコは耳がかゆい! かわいいですよね。モデルがいたとしたら、元気に大きくなってくれたかな?

そして後期にうさぎが登場するのは江戸時代の絵巻《長恨歌絵巻》。長恨歌は唐の時代に白居易が作った、楊貴妃と玄宗皇帝のことを描いた長編の詩です。展示された絵巻は、亡くなった楊貴妃を探してやっと見つけた道士が、楊貴妃から玄宗皇帝へと櫛を託された、というシーンだそう。楊貴妃の住む宮殿の外に広がる楽園の、岩穴にいるのが3匹のうさぎ。(撮影OKでした)


《長恨歌絵巻》


《長恨歌絵巻》より3うさぎ


茶色いうさぎが2匹と白いうさぎが1匹。「どんなうさぎがモデルだったのかしら?」とつい思ってしまいます。まあ想像でも描けるんでしょうけどね。

ノウサギかな? 白毛に黒目はニホンノウサギの冬毛ですね(あと耳の先が黒。鳥獣戯画のうさぎ)。茶色は夏毛なので、なんで夏毛と冬毛が一緒にいるのかしらとも思ったり。このシーンで楊貴妃が暮らすのは仙人の世界なので、夏も冬もない世界なのかもしれません。

江戸時代にはカイウサギはすでに飼われていたので、カイウサギかも? 茶色いカイウサギもいたでしょうしね。ただ、白毛だと普通は赤目、アルビノですね。ブラックアイドホワイトの可能性もありますね。よく見るとこの白毛ちゃんはちょっと被毛がもふもふしていますよ。明治になってから珍しいうさぎが日本に入ってきたけど、もっと早い時期にいたんだったりして。

想像の世界を描いているのだしどうでもよかろう、と思われそうですが、こういうのを考えるのも楽しいんですよねえ。

そういえば前期は外国の方がとても多かったんですが、今回は館内ではほぼ見かけず(大手門近辺にはいたけど減ってたな。バカンスシーズン終わったのか)、前期には彼らのスマホのシャッター音があちこちで聞かれましたが、今回は日本の人たち(もうちょっと言っちゃうと年配のおばさま方)のおしゃべり声がけっこうにぎやかでした(もうちょっと言っちゃうとうるさい)。

ではまた。

トップ画像は図録とチラシです。

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