今年は「アニファ」創刊30周年
「アニファ」って今年で創刊してから30年経つのか、と気がつきました。1994年(平成6年)に創刊して、2008年(平成20年)に152号をもって休刊したんですね。
私は中の人ではなかった(社員ではなかった)ですが、創刊号を見て営業をして、3号から関わっているので、中の人ではないものの、玄関先の人、くらいの立ち位置ではあったかな。読者から見れば中の人だったんでしょうけども。
「アニファ」っていうのは動物全般を対象としたペット雑誌でした。創刊した頃にはすでに「動物ファミリー」という小動物雑誌があったのですが、「アニファ」と入れ替わるように休刊して、しばらくはオールペットの雑誌は「アニファ」だけだったんじゃないかな。しばらくして「かわいい小動物」という雑誌も発刊しましたね。
動物ファミリー(1990-1994)
アニファ(1994-2008)
かわいい小動物(1997-2003)
他にもありましたけど、この3誌がわりと長く出ていたのかなと思います。アニファが一番長生きしたんですね。
どのくらい前までだったか、10年前くらいは「アニファ」で検索すると、トラブルがあったことを記録したサイトが一番に出てきて、あらあらと思ったりしてたんですが、今は「アニファ」で出てくるのは動物病院ですね。あちこちに病院をもつ動物病院グループなのかしら(前、近所にもあって「アニファだって!」と思ってたんですが、違う名前に変わってました)。院長先生がアニファのファンだったりして……ってことはないでしょうね。雑誌アニファの名前の由来は「animal in family」で、まあ思いつく名称でしょうから。
こうして人々の記憶からは「アニファ」という雑誌があったことは忘れられていくのであった…。
創刊した頃はなんというか、モルモットの写真にハムスターってキャプションが書いてあったり(改めて見直したら投稿写真のキャプションなのでもしかしたらそもそも投稿者が間違えていたのかも。それにしてもそれなら直せばいいわけでw)、Q&Aコーナーでオカメインコの冠羽のところのハゲについての不正確な答えとかもあったりと、ちょっと笑っちゃうところもあったりしましたけど、硬派な記事も載っていたりと、まあもりだくさんではありました。無印良品というよりもヴィレッジヴァンガード。
のちにちゃんとした知識をもつ獣医師や動物園の飼育技師などが監修者として参加することによって、動物の適正飼養のための情報を発信したり、動物愛護・動物福祉に関する記事もずっと掲載されていましたし、当時の小動物好きの皆さんにはきっとお役にたっていただろうと思います。だったらいいな。
当時の取材でインパクトありすぎて忘れられないのは、ウォンバットやテナガザルを飼っていたおうちで。一般家庭ではなく(といっても動物園ではない)、ある企業の社長さんが趣味で飼っていたようで、お世話をする担当の人までいました。マニアックなペットショップもけっこうありましたね。
法律との関係でいうと創刊した1994年というと動物愛護管理法がまだ動物保護管理法で、外来生物法ができたのが2004年なので、それ以前の記事にはアライグマがペットとして登場していました。1999年に動物愛護管理法に改正されて、2005年にも改正がありました。まあ、ちょっと変わったペットを飼育することはどんどん難しくなっていたというような時代ではあったんですね。オグロプレーリードッグの輸入禁止は2003年でした。
ジャンガリアンハムスターというどえらいかわいいハムスターが飼われるようになったり、フェレットブームがあったりと、小動物の人気が高かった一方では法規制もかかるようになり、というような頃ではあったわけです。
今はペットを網羅的に扱った雑誌はないと思います(気がついてないだけだったらすみません)。かつては犬猫以外の小動物を飼育していた人たちは情報に飢えていたんだけど(だからほんの数ページしか載っていなくても購入するモチベーションにはなったんでしょう)、今は(正誤はともかく)いくらでもネットで情報を集められるし、写真の投稿など自分からの情報発信にしたって、ツイッターでもインスタでもいくらでもできるわけだし。
たぶん今は(というか小動物雑誌がなくなっていった頃にはすでに)、たとえばうさぎを飼っているならうさぎの情報だけが欲しくて、べつにハリネズミのことは知らなくていい、というように、知りたいことだけを知りたい、というニーズが多いのでしょうし。
ライターとして関わって、100%が楽しいことばかりではなかったですが、とてもなつかしい日々ではあります。
あの頃に関わったみなさんにありがとう。
ではまた。
トップ画像は「アニファ」の創刊号(左)と最終号のひとつ前(最終号も持ってるはずなのに見失ってしまった)