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「ドライヤー」
「あ、このことについてnoteに書こう」と思ったときにメモしておくことがあったりします。そこに「ドライヤー」と書いてあったんですが、いったいなにを書きたかったのだろう。たぶん、ドライヤーで髪の毛を乾かしながらなにかが思い浮かんだのだろうと思うんですが、まったく覚えていません。大丈夫なんでしょうか。
そこで、「ドライヤー」という宿題に取り組んでみようと考えた次第です。だらだらと長いですが目次をつけるほどのものでもないのでそのままで。よほどお暇なときにご覧ください。
【いろんな「ドライヤー」がある】
そもそも髪の毛を乾かすものだけがドライヤーと呼ばれているわけではありませんね。
野菜や果物を乾燥させたり、お肉をジャーキーにしたりするフードドライヤーというのがあります。小動物のおやつ作りに便利だと思います(いやもちろん人間用にも)。野菜や果物は干物用の干し網でも作れるんですけど、天候によっては中途半端な乾燥具合になってしまい、保存したいときだとカビが心配です。フードドライヤーだとしっかりパリパリになりますからね。使ったことないけど。フードドライヤーって種子でも使えるのかな。リスにあげる用のカボチャの種もよく乾燥させたいですから。
ペットフードの製造でも、カリカリ系にはドライヤーという工程があります。うさぎやモルモットなどの主食の牧草は自然の食べ物ですけど、天日干しという天然のドライヤーによっておいしい乾牧草ができるわけです。こう見ていくとペットのごはんに「ドライヤー」は欠かせないものという感じがします。
【乾けばいいというだけではない】
普通はドライヤーといったら髪の毛を乾かすもののことなんですけど、まー、種類が多いです。ネットショップで見てみたら、2千円程度のものから8万円以上するものまでありました。すごいですね。髪が乾けばいいってだけじゃないんです。うちのなんて5千円くらいで、マイナスイオンがどうのと書いてありますが、ほんとなんでしょうか。
パナソニックのnanocare ULTIMATEというのが8万円超えなんですが、さすがに強気の価格帯と話題になったようです。もはや風の出るところのカタチが知っているドライヤーとはちょっと違います。なにかヤバめの(いい意味で)光線が射出されて髪の毛がきれいになるんでしょうか。
速乾というのは高価なドライヤーの売りのひとつだと思いますが、私は髪の毛を乾かしながら読書をしているので、速乾すぎないほうがいいんですけどね。
【ヘアドライヤーが乾かすもの】
ドライヤーが乾かすのは人間の髪の毛だけでもないですね。体を洗うことのあるペットだと、毛を乾かすのに使うこともあると思いますけど、「早く乾かしたい」と「熱くないように気をつけたい」のどちらにも気をつけながらなので、大変です。
あとはたぶん、乾かない洗濯物、雨に濡れた靴などに使うこともありそうです。あと洗ったあとのエアコンのフィルターとか。ネットで見ると、靴やフィルターにドライヤー使うのはあまりおすすめされてないようでした。
【姫様もドライヤーほしかった?】
ドライヤーっていつからあるんでしょう。
日本では古くから髪の毛が長いのが通常だったと思います。十二単の時代から、髪を結うようになってからも。女性はもちろん、男性も地毛で髷を結うのだから長いですね。髪を切るなり剃るなりするのは、俗世から離れるってことなのでしょうから、ある意味、髪は女の命でもあり男の命でもあったのかもしれません。
町娘も姫様も、いなせな職人さんからお侍さんも、ドライヤーがあったら便利だったでしょうに。皆さん、洗髪したあとは自然乾燥させてたのか、すぐ結っちゃったんですかね。あきらかに昔のほうがドライヤーの必要性は高かったのかも。
ただ当時は洗髪を毎日するわけではなかったようなので、ドライヤーがあったとしてもそんなに使う機会がなかったかもしれません。いやちょっと待て。その前に電気がないとドライヤーは使えませんでした。
昭和時代、春日八郎が歌う「お富さん」には「あだな姿の洗い髪」なんて歌詞があります。「仇な(あだな)」はなまめかしかったり美しかったりというような意味で、洗い髪だからこその色気ですよね。さっさとドライヤーで乾かしちゃってはこの感じは出ないんでしょう。
なんでも最近では「ドライヤーキャンセル界隈」という言い方があるそうですね。「界隈」なんて言葉、かつては「この界隈では~」のように場所などを示す言葉として使われるのが普通だったんじゃないかと思うんですが、今よく使われる「界隈」は場所ではなくて「人々」を指すようですね。合ってるのかな。さてそのドライヤーキャンセル界隈の人たちは、べつにあだな姿の洗い髪をしたいわけではなくて、面倒くさいらしいです。
さて、ドライヤーの歴史をまとめたサイトがありました。
ヘアドライヤーの市場規模は2025年に715億円と予測されているとgoogleのAIによる概要さんが教えてくれました。同じくAIによる概要さんによると、同じくらいの市場規模のものとしては青汁(700~800億円)がありました。また、犬猫用ペットフードの2027年のEC市場(電子商取引)が700億円という予測だと富士経済のニュースリリースに書いてありました。
https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=23006.pdf&nocache
犬猫フードと青汁とドライヤーが同じような市場規模なんですね。
【奥深いドライヤーの存在感】
古い記憶のなかでは、美容室や銭湯にあった「お釜」タイプのドライヤーが思い出されます。銭湯だと10円入れたら数分稼働する、みたいなものだったんじゃないでしょうか。
南こうせつとかぐや姫の「神田川」に登場するカップルの女の子はきっと、銭湯に行って髪を洗ったときも、乾かすのに時間がかかって彼を待たせてはいけないと思って濡れた髪のままで出てきたというのに、彼のほうが遅くて待たされて、洗い髪が芯まで冷えてしまったんですね。彼は、この彼女の気持ちに気がついていたんでしょうか。歌詞に直接「ドライヤー」は出てこないけど、存在はしているドライヤー。
歌詞検索をしてみると、ドライヤーが出てくる歌もけっこうありますね。
ドライヤーを使うのってお風呂上がりのような(あるいはお出かけの支度のような)ごくごくプライベートなときが多いのだろうと思うので、歌詞に女性と男性とドライヤーが出てくるというのは、とても親密な関係性にあるってことなんでしょうね。
ドライヤーは(価格帯や効能はいろいろあれど)きわめて実用的な道具であって、ドライヤーはドライヤーとして仕事をするわけなんだけど、彼女がドライヤーを使っているところを彼氏が見る、ということは、ふたりの関係がひとつ進んだ、ということでもあるわけです。ドライヤーの存在感、意外と深いです。
ドライヤーの存在が男女のトラブルに発展する、なんてのは小説とかドラマにありそうです。実際あるんだろうな。たとえば単身赴任のご主人の住まいを訪ねた奥様。洗面台の棚にはどう考えても女性が使いそうな高価格帯のドライヤー、とか。あるいは自分用のくるくるドライヤーを置いてあったのだけど、使おうと思って手に取ったらからまっている、奥様よりも明らかに長い髪の毛、とか。相手の女性がわざとやってる場合もありますからね。怖いですね。浮気している男性は時々、ドライヤーの確認をしたほうがいいです。
そういえば、毎日なにかしらの記念日だったりしますが、ドライヤーの日ってあるんでしょうか。ネットで検索した限りではありませんでした。ありそうなのにね。でもきっとそれぞれの個人レベルでは、ドライヤーを使っているところを見た/見せた記念日、があったりするんでしょう。
と、ドライヤーについてどうでもいいことを考えてみましたが、結局、そもそもドライヤーの何について書こうと思っていたのかは思い出すことができませんでした。
トップ画像はイラストACより。