散りゆく葉、うつくしく開花する花びら
5時半起床。外は真っ暗。下に降りると夫がすでにコーヒーをドリップしている。夫の朝食、バナナに生ハムにチーズ、ブラックペッパーがけ、ナッツにレーズン、はちみつ。モデルのインスタ投稿見てるみたい。それを横目に白湯をすする。モデルの朝食だけでは足りないだろうと、昨日の鍋の残りに卵を落とし、ネギを散らし、あつあつを器にもって出す。ラー油をかけて。天神川五条まで夫を送る。朝の9号線、車は少ないけど働く車がいっぱい。帰りみち、黄金いろにかがやく銀杏並木、日の出がさしこみ、それはそれはうつくしい光景。早起きするといいことあるもんや。観光地の紅葉を見にいく気にはなれないけど、日常の通りすぎる風景の中でじゅうぶんに季節を感じられる。昨日の夜、職場の人から気にかけていた利用者さんが入院先の病院で亡くなられた、と連絡あり。99歳だった。年越したら100歳になってたのに。退院してまた会えると思ってたけどだめだった。花が好きなひとだった。状態が悪くなりかけて、もう食べるものも食べれないってときに、真っ黄色のげんきになるようなガーベラをすぐ見える場所に生けた。わあ、と喜んでくれた。それが最後の交流だった。退院したら、庭の南天の実と、ゆずを持っていってあげようと思っていたのに。着物、食べもの、お花、江州音頭の話をしてたくさん笑った。あんたこれ食べていき、と肉まんや饅頭をくれて一緒に頬張った、思い出だけが心のアルバムに貼り付けられた。ちっちゃくて、すこし気が強くて、かわいいおばあちゃんだった。庭の紅葉したハナミズキの葉が、散りゆく前にかすかに揺れている。そういえば昨日の朝、先週買ってきて生けていた百合の蕾が大きく、大きく、立派に開花した。
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