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ローカルに出会いたい


20年前くらいに親友のまやちゃんと、グアムに女二人旅行をした。最初は飛行機に乗ることに高揚し、ホテルのふかふかのベッドにはしゃぎ、常夏の開放感に異国を感じたが、美しいビーチ、えげつないサイズのステーキとポテトのおかしな量や、ヤシの実のジュースを飲んでも、有名な観光地をまわってもあまり心は動かず、自分の感覚はおかしいのだろうか?と疑った。夜、ディナーを食べながらタヒチアンショーを見ているとき、ふと、後ろの厨房の中に目線をやった。
現地の人が忙しなく働き、彼らが時折、華やかなステージをぼんやりと眺めている姿を目撃したとき、あ、と心が動いた。わたしはこっちのことを知りたいのかもしれない、と。当たり前だけど観光客なのでグアムの表側しか触れられない。それが自分の中でもどかしかったのだ。
それよりもアイスクリーム屋で現地の人が買っていくバケツみたいなサイズに呆気にとられたり、大きなショッピングモールでぶらぶらしているとき、黒人の女の子が話しかけてきて「その靴下いいね、どこで買ったの?」「伊勢丹やで」「めっちゃいいやん」そういうなにげない会話が楽しい、と思った。

国内でもそうだ、観光地で表側を見て回るときより、裏通りや地域の人が通うスーパーに行って、レジのおばちゃんたちが交わす方言に触れたとき、お、と心が動く。

その地域の生活に触れると、心が動くのだ。

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たみい
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