くじけそうになって、あきらめかけて。2
息子が学校で撮影したという、ラグビースクールのコーチへ感謝を伝えるメッセージ動画を、タブレットで見せてもらった。もう、泣いた。息子がこんなにはっきりと自分の想いを伝えていて、泣いた。こんなもの見せられたらコーチ大号泣やん。練習が嫌で行きたがらない息子を引き摺りながら練習へ連れていって、格闘しながらの時期もあったけど、ここでこの一山を乗り越えるか乗り越えないかは息子の人生にとって大きな意味があるように感じて、母親としても試練の時期だった。だけど息子と一緒に話し合いながら、どうしたら続けていけるかを模索して、いろんな選択肢を試していく中で、ある日練習を終えた息子が「ぼく、もう乗り越えたよ」とポツリと言った日があった。凛とした顔がそこにはあった。いつの間にか、この間の素晴らしい試合をするまでに息子は成長していた。グラウンドではあまり声を出すイメージがなかった息子が、試合中、鼓舞するように叫んでいた。気迫が違った。決してあきらめなかった。チームがあと一歩のところで負けたとき、チームメイトやコーチと一緒に涙を流していた。その涙は、彼らが本気でやりきった証だ。心も体も強くさせてもらった六年間。卒団まであと少し。
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