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わたしの創作ノート

童話作家の角野栄子さんがインタビューで、最初に物語を書き始めた時、楽しくて仕様がなかったと語られていて、え、と思った。今まで何度も物語を書こうとして、あまりに楽しくなさすぎて挫折してきた者としては、そんなことあるう?としか思えなくてなんだか悶々としてしまった。

ある時、主人公の設定だけが浮かんで、冒頭をつらつらと書き始めて、やっぱり面白くなかった、ぜんぜん読者として読みたくなかった。ムカついて舌打ちしてたら、なんとなく登場人物の設定を考えようと思って、各キャラクターのデータをノートに殴り書き始めた。どんな生い立ちで好きなことは何で、どこに住んでいて、どんな仕事をしていて、どんな性格でどんな友達がいて、家族構成は?好きなお菓子は?考え始めたらどんどん出てきて、びっくりするくらい楽しい。派生して主人公を軸に登場人物が増えてくるのも楽しい。そのうちシーンだけが思い浮かぶ。書き留める。物語は全然思い浮かばないのに、シチュエーションやそこで動き出す人物の1シーン、セリフはめちゃくちゃ浮かぶ。断片的に。え、そんな行動とる?とか意外な動きをする者もいたり、どんどん登場人物に愛着が湧いてくる。このおっさん仕様もないなあ、でもみんなそういうとこあるよなとか、あんただけには絶対にしあわせになってほしい、とか。これがどうやって物語になっていくのか全然わからない。断片的なシーンを地道に繋げていくしかないのか。あーだこーだと考えてたら、出だしの文章が思い浮かんだ。わくわくした。文章は思い浮かばないけど、設定を考えたら楽しい、ということに気づけてなんかよかった。これをnoteに発表はしない。自分が面白いと思うものが書きたくて、ある人に読んでもらいたくて、そして一生のうちにオモロい物語を最後まで書き切る経験をしたくて、書いている。





















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たみい
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