6話目の補足:技師が患者さんの為にできること
↑6話目はこちらです。
今回のお話は、私が医療職として一番欠けていたことを指摘された時のお話でした。
それは、「患者さん目線」です。
当時の自分は、結果を出して認められたい、ということしか頭にありませんでした。
一般企業の会社員としては失敗してしまったので、後が無いなという気持ちで、他の人より出来ることをアピールしなければいけないと思っていたのです。
しかし、同じように頑張っていても、なかなか思うように仕事が覚えられず、むしろ失敗を重ねる日々で、同僚から信頼されない状態でした。
むしろ、プリセプターの方は、こんな私によく耐えていたな、、と思います。仕事を覚えないだけでなく、自分のことしか考えていなかったからです。そりゃ怒られて当然です。
それでも、日々何か自分が失敗しそうだな、というタイミングで、よく声かけをしてくれました。本当に「いつ見てるの?」というくらい観察してくれていました。
周りの人が思っている以上に、他の人より出来ないことがある、と言うのは誰にでもあると思います。ただ、それを相手と同じ立場で理解し合うのはとても難しいことなんです。
まして、自分が苦手なことで迷惑をかけるかも知れない、ということをカミングアウトすること自体に勇気が要りますし、「そんなことも出来ないの?」という風に思いがちです。お互いに。
例えば、車の運転があまりにも苦手過ぎて、20代で免許を返納したという方がいます。ある種の判断能力が決定的に欠けていると気づいて、自分で判断したケースです。
私の場合は、もっと早くから「こういう苦手なことがあるかも知れない」とみんなに伝えていれば良かったな、と思います。
当時の私は、自分の苦手なことに向き合えず、余計に自分の殻にこもり、周りの人のことを気遣えない悪循環に陥っていました。
そこで、まずは「どうしたら、誰かの役に立てるか」「患者さんのことをもっとよく知ろう」と思い、そこから少しずつ状況は良くなっていくのでした。
そのことを次回描いていきます。