リアル半沢直樹
毎日新聞に大戸屋 VS コロワイドの記事が書かれております。
そもそもの戦いの構図は外食大手コロワイドが定食チェーンの大戸屋にTOBをしかけコロワイド側に軍配が上がったもので、消費者向けの飲食業界でおきており、非常に注目を浴びておりました。
タイミング的に半沢ドラマが盛り上がっている時期と重なり、インターネット上で「リアル半沢直樹だ」とも騒がれ注目が集まっておりました。
戦いのポイントは資本の論理ですけど、実際働いている従業員はつらい日々でしょうね。
いけいけのコロワイドとのんびりとした大戸屋の社風の違いは明白で、大戸屋では社員の退職が相次ぎ、社内の空気は重いといわれております。
大戸屋の現経営陣についても問題がかなりあったのでしょう。このTOBは大戸屋内のお家騒動の第2ランド的な意味合いが強かったようです。
発端は2015年に実質的創業者の三森久実氏が死去し、現経営陣と後継者として考えられていた三森氏の長男、智仁氏が対立しました。もちろん近親者だからといえ、すぐに後継社長へという流れではないとは思いますが、論点は長男がは大量の株を保有していたということです。
現経営陣が長男を左遷し、もめたすえに退社。現経営陣は和解して株を買い取るべきであったでしょう。
その後、長男とコロワイドが結託し、最終的にコロワイドへのTOBを許す結果となります。
敵の敵は味方です。
大戸屋関係者によると、現経営陣は19年10月に智仁氏による株売却が明らかになってから、慌てて対策に動き始めたといいます。遅いというか資本の論理を全く理解していなかったんでしょう。
買収が決まった今、大戸屋の社員からは現経営陣への恨み節が聞かれる。ある社員は、「現経営陣はもともと三森久実氏のイエスマンで、自分の頭で物事を考えてこなかった。無能な連中のせいでこんなことになった」と不満をぶちまけた。
コロワイドの企業成長はM&Aを活用してきました。
牛角やかっば寿司等を買収してきましたが、17年のコロワイドの社内報に、蔵人金男会長のあいさつとして「(牛角を運営する)レインズを買収して5年。いまだにあいさつすらできないばかが多すぎる。家庭が劣悪な条件で育ったのだろう」「私に逆らっても始まらない。所詮、コロワイドが買収した会社。生殺与奪の権は、私が握っている。さあ、今後どうする。どう生きていくアホ共よ」といった文章が掲載された。
パワハラ & ブラック企業体質ということなんでしょう。
このTOBの勝者は誰なんでしょう。
よくわからなくなってきました。
一番の被害者は大戸屋の社員なのは、明白です。