長谷寺(飯山観音)(厚木市)
お風呂に入ってダラダラした後は、そのまま県道64号で南下。「尾崎」(清川村煤ヶ谷)で県道60号に乗り換え。厚木方面へ進む。小鮎川沿いに出ると、厚木市に入り、飯山の里に出た。厚木は、もともとは大山参詣街道の宿場町であった。現在も東名高速と圏央道の結節点となるなど、交通の要衝であることに変わりはない。厚木にはいくつか温泉がある。このうちの一つが飯山温泉で、東京の「奥座敷」として知られている。
飯山温泉の入り口には、「桜とたにしのまち」とある。
実は厚木の名物にたにし料理がある。
たにしとは、あのタニシのことだ。
田んぼなんかにいる巻貝である。
厚木の郷土料理というより、どちらかと言えば飯山温泉の郷土料理である。
タニシも最近見かけなくなった…なんて言われるが、自分の住んでいる埼玉の田んぼには意外とタニシっぽい巻貝がウヨウヨしている。
あれを食べるイメージがあまり湧かない…
よって食べたことはない…
そんな看板のかかる庫裡橋(くりはし)から川を見る。「飯山七不思議」が護岸に一つ一つ紹介されている。
川には鯉がいた。
川が流れ、鯉がいる。
自分の故郷もこんな感じだった。
憂鬱な気分から今度はノスタルジックな感じに…
橋のたもとには鎮守の神社が。
龍蔵神社というそう。
だけどやっぱりもの悲しい、冬の日曜日。
飯山温泉は、ちょっと古い感じの温泉だ。
ここにある「ふるさとの宿」。駐車場はいっぱい埋まっているが、外観はとても昭和チックである。
ちょっと時代に取り残された感がにじみ出ている。
まぁ、これはこれで良いのだが。
きっと慰安旅行とか社員旅行を普通にやっていた時代は、こういうところは重宝されたのであろう…
厚木には他に七沢温泉や広沢寺(こうたくじ)温泉という温泉もある。七沢はここよりもうちょっと高級感がある。飯山はとっても大衆的である。広沢寺温泉は一軒宿である。
厚木にある温泉のうち、七沢のみ泊まったことがあるが、お湯も大変良かったし、宿も素晴らしかった。
次は広沢寺温泉かな…飯山はあまり魅かれない…
そんな飯山温泉近くには、飯山観音で知られる長谷寺(ちょうこくじ)がある。狭い道を上り、駐車場に入ると山の上は公園のようになっていた。トイレもある。
暗い。冬至が近い。
ということで本当に日が暮れるのが早い。
せっかくの燃えるような紅葉も、ちょっと陰鬱な感じ。
山門が見えてきた。
ちょっと…いや、だいぶ傷んでいる。もとは茅葺だろうか?
粗末な赤いトタン屋根が痛々しい。屋根や柱がゆがんでいる…
そんな中にも仁王さん。
山門からさらに登れば、厚木の街並みが一望できる。
夜は夜景が綺麗そう。
そんなこんなで本堂。
板東霊場の一つである(6番)。
長谷寺という名前の寺は、清水寺(せいすいじ、きよみずでら)とともに観音霊場として各地に存在する。
言うまでもなく大和の長谷寺に由来している。清水寺は京都の清水観音に対する信仰からだ。
それにつけても板東の33か所中、長谷寺は3か所もある(鎌倉、飯山、高崎)。
観音様の御宝前に来たところで、何を祈るべきか。
ただ手を合わせても、特に何も思い当たらない。
まぁ、でもこうして静かなところに行くだけで、心は落ち着くものですね。
(続く)
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