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【狼犬ヨイクとハンドラー龍太郎のお仕事】〜獣との共生を目指す森と里の境界線づくり〜

津山市の北端にある旧阿波村から赤田龍太郎氏と狼犬のヨイクを招き、獣害対策としての「ウルフ・パトロール」について学びます。

農林業に従事する人やそもそも農村部の人口が減り、暮らしも変化したことから、里と獣たちが棲む「森・奥山」と「里」の境界が曖昧になりました。食料・肥料・燃料調達の場として見通しの良い里山があった頃は、獣たちは里山よりこちらの「里」に出てくることは稀だったといいます。失われた里山を復活させることや、林業の再興であれた山を整備することも必要ですが、獣たちによる農作物の被害は年々ひどくなるばかりでのんびりしてはいられません。

狼犬ヨイク

猪、鹿、猿など農作物に被害をもたらす獣たちにはかつて「オオカミ」という天敵がいて、増えすぎることはありませんでした。オオカミが絶滅した今、天敵のいない獣たちは気候変動などの要因も重なり個体数を増やし、荒れた森では餌が足りなくなっていることも被害を拡大させている原因と言われています。

そんな現状を改善する試みのひとつとしての「ウルフ・パトロール」は、この冬で3シーズンを終えました。獣害がひどく収量が減り困り果てていた果樹園も目標の収量100%を達成できるようになるなど、成果は順調に出始めており、口コミで依頼が増えてきています。

狼犬ヨイクはホッキョクオオカミの血を90%以上引く大型の狼犬で、依頼者の犬たちのリーダーとなり圃場周辺をパトロールしつつ狩りもします。罠猟免許を持つ赤田氏はマーキングのサポートをして獣道を塞いだり、残した獣道に罠を仕掛けて捕獲するなどして、獣たちの領域と、人の領域の境界線づくりをします。境界線付近で間引きが行われるだけで個体数が大幅に減ることはありませんが、獣たちが「ここから先は怖いことが起きる」と認識できる「境界線」を明確にすることで、農作物を守ることができるのです。

狼とは程遠い犬ベルと狼犬ヨイク

今回は繁忙期を過ぎてホッキョクオオカミにとっても快適に過ごせるシーズンということもあって、ヨイクも一緒に来てくれます。狼犬に会って、写真などで現場の様子を振り返りながら、現場に関心を持った方には見学やノウハウをお伝えする機会も今後は設けていきたいそうで、今回はその糸口になればと考えています。

獣害に困っている方は是非この機会にヨイクと龍太郎氏に会いに来てください。

日時:2024年12月26日(木) 
   10時〜 ウルフ・パトロールについてのお話
   13時〜 懇親会・ランチ(希望者のみ)
   15時頃 散会予定
   
場所:佐用町上三河237 たまゆら堂

参加費:3000円(小学生以下半額)
    昼食代1500円(小学生以下半額)

お問い合わせとお申し込み:たまゆら堂 山村ひろのまで
hironomiura@gmail.com
お申し込みの際は懇親会の参加可否もお知らせください。

注意事項:犬が苦手な方はご遠慮願います。

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