【小説】一人で火鍋食べると料金追加されるが、甘党のキミと一緒なら大丈夫-その壱
(一)
「あ…これいいね…」
携帯画面にインスターの動画が流れている。日本語で「新竹火鍋ベスト5」を書いてる動画に売りポイントそれぞれ5軒の火鍋屋を紹介してる。各産地の和牛を食べ比べるお店もあれば、秘伝のスープを主張するお店もあった。凍らせたスープを小熊形をし、鍋の中に浸かるお店までもあった。
近藤麻由が日本語で呟いた。
朝早い通勤バスに、バイクと車のエンジン音以外は静かだ。そのため、彼女も思わず声を潜めている。
日本にいた時電車で通勤した彼女にとって、東京の電車にシンとした静かさと関西人の自分勝手で電車に話し合うのと対照が激しい、いまでも慣れなかった。
今日のバスも人いっぱいだ。
隣に立っている乗客をチラッと見て、5分前の自分といっしょだ。ちょうど目の前に座ってる人が降りるから、彼女はスムーズに入れ替えた。
(ラッキー)彼女が思った。
席に着くなり、麻由は携帯を出した。周りのみんな携帯いじってる。今隣に立ってる、モノトンのポロシャツを着てる男もそうだ。
「新竹火鍋ベスト5」の動画が終わり、次は「本当は教えたくない…新竹市内隠れ家ケーキ屋」。彼女はデザートにあまり興味ない、指で次の動画を開こうとしたその時。
「何にしてる!」
澄み渡った声が隣に響き、麻由が驚いだ。顔を上げると、ほかの人も同じビックリ顔で例のモノトンポロシャツ着てる中年男と、白い帽子付き服を着て、頭にイヤホンをかけてる少年に視線を投げてる。
「な、なんだ!」中年男は慌てて携帯の画面を押え、少年に睨んだ。少年は顎を上げ、「おっさん、なに撮ってる?」今の叱れは彼からだったらしい。
「な、なにもないよ!」
中年男は先より慌ててになり、少年が彼の手を掴んで、「嘘つくな!見てたよ、この女性の胸を撮ってるじゃん!運転手さん!痴漢です!警察までお願いします!」と言った。
彼の話を聴きなり、乗客一同騒ぎ始めた。中年男が叫んだ。「そんなことねッ!やってねッ!盗撮なんでやってねッ!」
「こいつの携帯を取って!証拠を消させな!」
少年は中年男を掴んで運転席に連れ、交番に着くと引き降りるつもりだった。
麻由は中国語がわからないので、戸惑い顔で周りの人の騒い様子を見てるしかできなかった、隣に座ってるおばあちゃんが「アノヒトガアンタ二トウサツシテツカマレタヨ」と台湾語で麻由に事情を教えても、彼女がわからなかった。
バスが交番前に止まり、運転手と少年が中年男を引き連れて降りた。しばらく経つと、少年が戻り、麻由の前に来て話した。「お姉ちゃん、警察に説明するのため、おれと一緒に来てください」
少年が深刻な顔で何やら自分に言いに来て、麻由が窓外に見れば、なんと交番前でビックリした。自分がなにか悪いこともしたと勘違い、必死に「NO、NO!」と頭を左右に振り拒否した。少年はなにかわかるように、「日本人?」と中国語で聞き、すぐに「Japanese?」とひと言付け加えた。
話がようやく通じた、麻由が「ジャパンニーズ、ジャパンニーズ!」と頷きながら答えた。
少年もやっとなぜ麻由が状況外と分かった。少し考えてから、携帯に何かが話し、そしてスクーリンを彼女の前に持ってきて見せた。画面にはグーグルで訳した日本語の文句、あの中年男は盗撮犯、警察に説明するため麻由も一緒に交番に来てとのこと。
麻由がこの時点に初めて今の騒ぎが何なのを知った。頷いて少年と一緒に降りた。
(二)
少年とともに交番に出て、麻由が腕時計を見て、もうすぐ11時になる。交番に2時間ほどかかった。
もっと早く終わらせれるのに、中年男はずっと否認し、おまけに麻由が中国語わからない、アプリで訳してもちんぷんかんぷん、倍の時間をかかった。
麻由がため息をついた。中国語わからないにもかかわらず台湾にやって来た自分のせいだ。交番に入る前に、同じオフィスの同僚にメッセジーを送り、事情があって午後から出勤するとのこと。予定より早く終わったら、昼ご飯食べてから会社に行こう。
麻由が腹立ってる。普通のピンクのシャツを着てるだけ、胸出すとか体のラインを現れるわけにもないのに、どうして盗撮された?変態か!
そして自分が名前を書く時、少年と警察とクスクス笑ってた!何かおかしいっ!腹立つわ!
こんなつまらないこと考えてる時、少年が彼女の肩を叩き、「Are you OK?」と訊いた。麻由が「OK、OK。」と頷きながらOKのジェスチャーをした。
少年は熱心だった。中年男はひたすら盗撮してないと主張したが、少年はまったく譲らず、結局中年男が犯行を認め、警察、少年と麻由の目の前に盗撮した写真を消した。
《バス停まで送りますか?それでもタクシー?》
少年が訳した文句を彼女に見せて、麻由が頭を左右に振り、【ご飯しに行きます】。この一行訳した後、【お礼として、君も一緒に来ません?】ともう一行加えた。少年が頭を振って、《大丈夫、ありがとう》と断った。
麻由があらためて少年をじっくり見た。180センチに近い背が高い、染めたことはないそのままの黒髪は天然パーマらしい、前髪が無造作に垂れてる。大きく真黒な目に深い二重まぶた、白肌に膨らみの唇、顔だけ見れば、まるで美少女!この子は絶対モテるでしょう。
現実にこんな綺麗な人一度見たこともない、麻由がうっかり見惚れてしまった。急に一つ思い出した。
【高校生この時間学校に行かなくて大丈夫?】
少年は画面を見て、怒るようにホッペを膨らませ、《大学生だよ!午前中の授業もう間に合わないからサポるに仕方ない》
【あ…すいません……】
麻由が謝った。謝るの理由がわからないが、とりあえず謝る。少年はこんな状態の麻由を見て、《ではこれで。お気をつけて》
麻由が画面の文字を読み終え、少年におじきをすると彼が歩き出した。
(三)
「そんなことあったんよね。お疲れ」
午後にオフィスに入るなり、隣席の小林栞里が麻由に寄りに来た。
麻由と栞里は同期、年頃も同じ。台湾支社を設立する際に、同期の中に二人だけに転勤されて来た。だけど麻由は自ら転勤を提出し、栞里は命じられた。
「行きたくないな…なんて私に…」
辞令が出たその日の夜、栞里が麻由を飲みに行くと誘った。串焼きの匂いとほかの客の騒ぎ声が溢れてる居酒屋に、三杯目のレモンサワーを飲み干して、顔が真っ赤になってる栞里が愚痴をこぼれた。
「化粧がお上手だからでしょう。課長も向こうに行って、たくさんの実演販売会を行うって言ったでしょう?」
「その時出張で行かせてもいいだろ…台湾だよ…海外だよ…」
栞里の声がだんだん小さくなり、不安めいてに聞こえた。「うちの両親は私が海外に転勤することを聞いた時すごく不安で、何とかできないかって訊いて来た…私は一人っ子だから、不安しても当たり前だ…」
「仕事だから仕方ないでしょ」
彼女の声が楽しそうに聞こえるので、俯いた栞里が顔を上げ、「なんか嬉しそうよね」
「そうよ。ずっと海外で生活してみたい」
「なんてそう思ってるの!」栞里が叫んだ。「言葉が通じないことは怖いだよ!近藤は中国語出来るの?」
「出来ないけど、台湾も漢字使うから何となく意味が分かる」
栞里が呆れた顔で彼女を見て、諦めた。
二人とも台湾支社に転勤し、早くも半年に経った。
自分が転勤希望を申し出すことはいまだに栞里に内緒してる。
大学卒業してすぐ今の会社に入社、マーケティング部に配属され今年三年目。
大学4回生の夏休みに妹と二人初めて台湾に旅行しに来た以来、麻由が台湾のことを恋にした。彼女から見て、台湾のすべては可愛らしい。町中の看板、屋台に貼ってるメニューの文字、人気の三色網袋、どれもこれもシャッターを止められなかった。
台湾の食べ物があっさりで関西出身の彼女の口に合ってるし、のんびりしてるし、住みやすいと決まってる。
ようやく去年に上司は彼女に台湾に転勤しないかと尋ねてきた。彼女は快諾だ。麻由はこの会社に入社するの理由の一つは、共同説明会で「海外転勤する機会がある」と聴いたから。
一次、二次面接の時、麻由はしつこくに面接官にこのことを質問、やっと「いまは台湾支社を準備中です。将来台湾に転勤するできるかもしれない」との答えをもらった。
引き寄せ法則ても言われるでしょう。三年後の今、麻由は自分が住みやすい台湾に半年ほど生活してた。
麻由が辞令を嬉しく手にして、課長が支社は台北ではなく新竹にあると指摘しても彼女の耳に入らず、わりと台北以外の場所に住めることにワクワクしてた。
神戸実家の親は最初台湾へ転勤することを聴くと栞里の両親と同じ心配してた。「断れないの?」と母はこう訊いた。だけど台湾から飛行機で2時間半で関空に着けると聞いたら、母が「東京から新幹線と同じ距離や」すんなり転勤のことを受け入れた。
かかる時間は一緒だけど、スピードはぜんぜんちゃうやん!麻由が心の中にこっそり突っ込んだ。
「これから台湾に行ったらお姉ちゃんちんに泊まるよ」三つ下の妹麻理は嬉しくて言った。
「残念がけど仕事があるわ。ホテルに泊まっていけよ」
「ふん、ケチ」
自分がもうすぐ旅を立つのに家族は悲しい気分は一切なし、麻由が自分が東京ばっかりいるのせいからな?と感嘆だ。
東京の大学に通い始めると、お正月とお盆以外実家に帰ってこない。忙しいを言い訳をしたが自分は縛られない一人暮らしが好きだから。実家に帰ったら嫌でも子ども扱いされる。母が「お姉ちゃん」を呼ばれて聴くとうんざりした。
さいわい、これからひとりで台湾に生活する。麻由は夢の海外暮らしにワクワクしてる。
だけど一人で異国生活はたやすいことではない。ビザ、家借りなど必須のことは会社がやってもらうけど、日常的な通勤や食事などやっぱり自分で解決しなければならなかった。
新竹と台北とは違い、ここの人と外国人との接触はすくないのため日本語はほとんど通じない、英語は何となく。そして地元の人は中国語や広東語にも似てない、イントネーションはラティ語に近い、ある神秘な方言を操ってる。
最初は本当に苦労だったが半年後の今、中国語はまだだけど、同僚の助け合うのおかげ、何とか乗り越えてきった。
(四)
六時に麻由が定時に上がった。
朝にあんな出来事があってもかかわらず、いまから美味しいもの食べに行く。
麻由が中央路にある火鍋屋にやって来た。ここはボリュームあるお肉で評判のお店だが、ネット上で無料で提供するタイ―メーカーのフルーツアイスが圧倒的な好評、麻由はアイスのためここに来てた。
彼女はこのため台湾に生活したかった。
麻由は火鍋が大好きだ。特に麻辣鍋。
辛いものに苦手の日本人と違い、彼女が生の唐辛子を食えるほど辛いものに強い、周りの人に
こんな彼女に台湾の麻辣鍋一口惚れ、台湾に旅行するたび、必ず火鍋屋巡りをし、麻辣鍋食べるのため台湾にやって来たと言っても過ぎなかった。
だけど麻辣鍋大好きの彼女に困りことがある。それは、麻辣鍋にいっつも彼女が嫌いの鴨血(カモの血の塊)入れてる。
日本人は動物の血を食べないから日本の麻辣鍋には鴨血は入れない、初めて台湾で鴨血を見かけた時、驚きで気分悪かった。後で同じクラスの台湾留学生に訊いてみると、台湾の麻辣鍋に鴨血入れるのはごく普通のこと。
血の塊なんて食べられるか!キモい!留学生がいくら鴨血は絹豆腐のように柔らかくておいしいを保証しても、麻由が心の壁にどうしても乗り越えなかった。だけどケチの彼女に毎回食べ残りの鍋底に岬のように現れるの鴨血を見て、気分が不愉快になった。
楽しみにしてたレストランに入り、スタッフに引導してもらい、麻由に中国語で長くしゃべってた。さっぱり分からなかった。どうせルール説明だろ。麻由は微笑んで頷きながら聴いてた。注文が終わり、スタッフが離れたと麻由が待ちかねてバイキングコーナーに駆け付けた。
ああ、火鍋食べるのは最高!
ごく普通の日だとしても、夕飯は火鍋なら記念日にガラッと変わる。そして台湾の火鍋メニューは多種多様、アイス食べ放題も当たり前のようについてくれる、まさに天国!
麻由は存分に堪能し、嬉しくてお勘定する時、若い女性スタッフが「758元でございます」礼儀正しい口調で告げた。
麻由が一瞬止まった。再びレジに確認して、呆れてた。
599元のアメリカ霜ぶり牛肉コースを注文した。一割のサービス料に加えても700元くらいにはならないはず。麻由はレジの金額を指さし、下手な英語でスタッフさんに間違ってると必死に説明すればするほど、女性スタッフの表情が戸惑くなり、「ウェイト」とひと言を残しその場に離れた。そして今度は背高い大柄の男が現れ、流暢な英語で麻由に事情訊いて来た。
女性スタッフが英語分からないので、英語ができる上司を呼び出したこと、麻由がやっとわかった。だけど向こうの英語が良すぎで麻由が聞き取れず、ますます慌ててになってしまい、声もだんだん小さくなってきて、日本語もまぜった。
すると、「麻由さん?偶然だネ!あなたもご飯しに来タ?」日本語で声かけられた。麻由が振り返ると、同じオフィスの台湾人女の子だった。彼女の隣に年に近い男の子がいて、彼氏かな。
「あ、張ちゃん。あんたもご飯しに来た?」
「そうよ。彼といっしょ。麻由さんどうしタ?何かあっタ?」
「ちょうどいい。張ちゃん、お願い、この人たちに金額間違ってると言ってもらってください、百円多いよ」
張と呼ばれる女の子が戸惑い顔で中国語でマネジャーに事情訊い、伝票を見てみると笑った。「何かと思ったのに、間違ってないヨ、開鍋費ダヨ」
「開鍋費?」初耳の言葉だった。
「ま、簡単に言うたら一人で火鍋食べると少し高くなるのこと。ほら、一人で食べるとお店にとってメンドウクサイでしょ、だから百元の追加料金がもらう」
説明を聴いたけど、麻由がますます腹が立った。
「なんで?お金払ってるやろ?独り客が面倒くさいと思ったら門前払いしてもいいやん!」
麻由の怒りで張にビビッてスタッフにまた何か話はじめ、しばらくすると、日本語で麻由に「店員さんに訊いタ。注文する前にルール説明をしたヨ。一人で食べると百元の追加料金が発生するって、あなたも文句はなかった」
「そ、それは…」麻由は言葉が詰まった。
確かに注文前に、女性スタッフが何か説明したが麻由が中国語わからないし、たいしたことはないと思い込んだし、頷きで聞き流した。まさかここに落ちった!
麻由の暗い顔を見て、張は何かあったかを気がした。場を柔らかくのため口を開いた。「まあ、向こうはちゃんと説明したんだよ、すべてお店のせいをしちゃいけないよ。今日はこのままで済ませて、今度は火鍋食べようとしたらみんなに声かけてね」
彼女の話は一理がある、麻由は分かってるけど、感情には素直に受け入れなかった。不満な顔で黙って支払てから出て行った。
(五)
なんなんの!偉そうに!その顔、きっとわたしは一緒にご飯食べる友達がいないかわいそうな人を思ってる!
なにか火鍋食べようとしたらみんなに声かけてね、一人で食べるが好きてアカンなの!?
麻由が考えば考えるほど、腹立ってる。
百元多い支払うの憤懣もあるし、中国語わからなくて損してる、そして好きなことやってるだけなのに、友達いないに間違われるにもむかつく。
台湾に来る前に何回も火鍋食べたがその時妹の麻理もついてきたので開鍋費なんて払うことはなかった。一人鍋もあるけど、大勢な人と分け合いたべるのとやっぱりどこか違う。
なんと言っても、中国語分からないの自分が悪い。会社には栞里みたいの日本人と張ちゃんのような日本語出来る台湾人ばかり。日常生活に今朝の出来事を除き、この半年間麻由は「中国語分からくて困る」ことを一度もなかった。むしろ今まで漢字が分かれば中国語できなくても問題はないと思っていた。
ああ…中国語ができるの火鍋同士がおるといいなあ…
「じゃあ、台湾人彼氏を作ったら?」
「は?」
栞里に自分の考えを言ったなり、こんな返事が来た。麻由が呆れた。どうして栞里はこう思ってるの?
「わ、わたし、彼氏作る気がない!」
「彼氏ができたらいいんじゃない?中国語が出来る、趣味が同じ、一石二鳥」
「そ、そうだけど…でも…」
なんか違う。どうしてなんでもかんでも男女関係に思いつくの!うちは一緒にご飯食べる人が求めるだけなのに!
通勤バスの中に、麻由が不満を思ってた。
通勤ラッシュのせいで、あまりにもつまらなくて、麻由が思わず窓外に目を向けると、バスの側に信号待ちのバイク乗りの人に目を開いた。ヘットメルトをかけていても横顔からその日助けてくれた少年のことは間違いない。
「ヘイ!ヘイ!」
麻由が窓外に手を伸ばし、少年に叫んだ。少年は気づいてなかったが、数秒経ってやっと気づいて、手を振ってる麻由に向き、驚いた顔になった。
少年は自分のことに気付いてくれることに嬉しくて、麻由が何か喋ろうとすると、少年は前に向いて、バイクを走らせた。麻由が呆れた。同時にバスも動き出し、青信号になった。
「え?また遭遇した?」
ランチタイム。麻由が今朝通勤の時、道に例の少年と遭遇したことを栞里に言った。
台湾のお弁当は二人の口には合わない、外で食べるのも面倒くさい、二人はいつも自分でお弁当を用意してる。
「うん。バイク乗ってる。ちょうど私のバスの側に待っていた。話をしようと思うと青信号になった」
「タイミング悪いね。彼になにか言いたい?」
こう訊かれると麻由がピタッと止まった。別に言いたいことはないけど、顔見知りに出会って挨拶くらいしようと思っただけ。そして、麻由はあの少年と再会したいとこっそり願ってる。
麻由のタイプだった。少年の大きいな目、可愛らしい顔は完全に麻由の好み。だから再会できるのにすごく嬉しかった。
麻由が少年の外見を栞里に言い、栞里は淹れたてのお茶を啜りながら、「現実にこんな綺麗な人いるの!写真ある?」
「あるわけないでしょ」
「残念。あたしも見てみたいわ。大学生だよね?」
「そうよ」
「新竹の大学…もしかして清華?」
「清華ってなに?」
「知らないの?理科の名門清華大学。日本の学校で言うなら…京大かな」
「どの学校が知らない」
整った顔に頭もいい…神様は不公平すぎだ。
「ところで、小林さん詳しいよね。台湾に興味ないのに」麻由が言った。栞里は台湾にての生活気に入らない、一日も早く日本に転勤したい。新竹のことにそこまで詳しいなんて麻由が意外と思った。
「だって…ここに暮らしてるなら嫌でも耳に入るでしょ。そうすると、生活にもラクになる」
栞里はごまがして話を変えた。
「ところで、ドラマチックと思わない?」
「ドラマチック?」
「もう会わない人偶然に街で再会する…そして何も言わずに離れた…まるで韓国ドラマ!」
「なにか韓国ドラマ。大袈裟だよ!」
「ね、また会えるかもしれないよ。その時こそ運命の出会い…」
栞里は自分の妄想に浸かれ興奮してきた、麻由は仕方ないと思い、ほっといてあげた。
栞里の予言はまもなく現実になる、この時の麻由はまた知らなかった。
(六)
その日退勤時間の直前、本社から明後日社長が視察しに来て現地スタッフの報告を聞き取ることの緊急情報が知らせ、麻由と栞里が配属された企画部がこの半年間台湾消費者へのマーケティングと実際の販売状況、来年の対策を報告する。
そのため、この半年間のデータを調べるだけではなく、報告書とパワーポイントも作らなければならない、急に忙しくなった。
「ああ――今日はここまでていいんだ」
麻由が背もたれに倒し、仰向けに叫んだ。オフィス内は暗くなってる、電気がつけてるのは彼女だちがいてる企画部だけだった。
「うん…」栞里も目を擦りながら、「内容がまとまった、残りは明日にしよう…お腹がすいた」
「帰ろ、帰ろ」
麻由がパソコンを閉じながら栞里に促した。よく見れば、オフィス内に二人しかいなかった。
タイムカードを機器から取り出し、麻由が打った時間を見るなり、「しまった、もうこんな時間」と焦った。「人と約束した?」栞里は戸惑う顔で彼女に訊いてた。
「そうじゃない、今日はわたしの誕生日」
栞里が驚いて目を開いた。
「ケーキくらい買おう…」麻由が腕時計を見て、もう夜八時過ぎ。
ああ…こんな夜遅くまでして…開いてるケーキ屋さんあるかな…
麻由が慌てて携帯でまたやっているケーキ屋を探してる。チェン店のカフェまた開いてると知ってるけど、誕生日だけチェン店のケーキ食べたくない麻由であった。誕生日に安っぽくなると麻由の偏見だった。
麻由がグーグルマップ何度も拡大、一ミリの可能性でも見逃さないように必死に探してる。やっと帰りバスの途中にある、夜十時までやってるフランスケーキ屋を見つけた。
麻由がケーキ屋付近に降り、あのケーキ屋はバス停隣の袋小路にあった。ピンクに塗りだ壁と白い塀、小さなお店から漏れた暖かい灯り、まるで昔話の森の中にある、お菓子でできた家。
ドアを開け中に入り、麻由が意外だった。お店の外見は狭いだけど、中は伸びてる通路があり、テーブル席も充実、そして夜遅くにもかかわらず、かなりの客がいる、麻由と同じくらい若い女性客ばかり。
麻由がショーケースの前にじっくり見てる。四号サイズのガナッシュチョコレートムースケーキに決めた。誕生日祝いだけではなく、甘いもので頑張って残業した自分にねぎらうにも含めてる。
綺麗な紙袋を手にして、麻由が満足してお店に出た途端、驚きで嬉しく足が止まった。
――今日は奇跡ばっかりよね。
この間偶然に出会った少年が外に立ってた。彼はメニューを研究しながら店内の様子を見ている。なにか躊躇してるように。中から出た麻由を見た瞬間、彼がビックリして白い頬が赤くに染め、まるで悪いことしたようにおずおずになってしまった。麻由に適当に挨拶してから慌てて逃げろその時、麻由が彼の腕を掴んだ。少年は怪訝な顔で振り向き、麻由は携帯を彼の前に出した。
【前回はありがどう。最近はどう?】
アプリで中国語訳した文句を彼に見せた。
少年は恥ずかしそうに頭を掻いた。
《まぁ、ね》
アプリで日本語訳した文句を彼女に見せた。
「あ、それ…」少年は麻由が手にしてる紙袋に指差し、少しうらやましい顔をした。
【今日はうちの誕生日】麻由笑嘻嘻地提起紙袋。麻由が笑顔で紙袋を見せた。
少年は紙袋を見つめ、うつむいた。少し時間経つと再び顔を上げ、何か決意したように言った。「一緒に入ってくれないか?」
「は?」
(七)
麻由と少年は二人席に対面で座ってる。彼は嬉しそうにメニューをページ巡っていて、麻由は戸惑ってる。
少年はすでに注文が決めたのように、スタッフがお水を持ってくるなり、「イチジクパフェください」と強く言い出した。
そして今、その彼は子供みたいにメニューを考えながら呟いてる。
こんな彼を見て、麻由が自分は利用されたと感じて気分が悪くなった。だけど誘いを乗ったのは自分でもあった。
【ここに来たことある?】
《いいえ、今日は初めて》
【じゃあなんてそんな早く注文決めた?】
《前からずっとここのイチジクパフェ食べたかったから》
二人が携帯で会話代わりの時、少年のイチジクパフェが持ってきた。円筒形のパフェグラスに一番下のはグラス壁に沿って円にしたイチジクスライス、その上にチョコ味のスポンジケーキとホイップ。一番上にソフトクリームと半分に切って蕾みの形にした生イチジク。インパクトが強烈だ。よく見るとこれを注文した女性が少なくなかった、どうやら看板メニューらしい。
パフェがテーブルに届いたなり、少年の目は嬉しくて光ってた。スプーンでイチジクをすくいて口に入れると、幸せの笑顔があふれてる。
麻由は微笑んで彼に見てる。おいしそうな食べ方で見る人にも幸せさを感じられる。
【おいしく食べてるよね。どう?】
「うん!イチジクのさっぱり甘さとヨーグルト味のソフトクリームと相性抜群!甘いホイップをチョコレートの苦みを柔らかくしてた。フルーツパフェが売ってる店は結構あるけど、イチジクのはめずらしい、そしてここのはフレッシュで、そのまま食べてもうまい…」
少年はなんやらのスイッチを開けたのように麻由がさっぱりわからなくてもかかわらず、味の感想を止まらずに言い出してくれた。
麻由が彼の豹変に驚き、呆れた顔で彼に見つめた。ほかの女性客が少年の興奮さに気付き振り返ってきた。まずは彼の様子にくすくす笑い、彼の端麗な顔を見るなり驚くに変わり、少年にチラチラと見ながらコソコソに話し合ってる。
あ、なるほど。
少年はどうして外にうずうずして入らない理由は、麻由がやっとわかった。
まぁ、イケメンは大変やね。
乙女たちの反応を趣味深い観察しながら、麻由は紅茶飲んでくすくす笑った。
「…すいません…」
「うん?なに?」
お店から出たなり、少年はボソッとひとこと言った。麻由は聞き取れなかった。
《一緒に入ってくれ、ありがとう》
【いいよ。おかげさまでうちもおいしいケーキご馳走された】
少年の顔が赤くに染め、目が合わずに携帯を彼女に見せた。
お勘定する時、麻由は自分の分を払おうとしたが、少年は先に払ってくれ、麻由が割り勘を言い出しても断った。自分が誘ったから二人分払うのは当然だと思ってるかな。礼儀正しい子やな。麻由は感心しながら好意を受けた。
麻由が書いた文句を見て、少年は少し照れそうに鼻を掻き、《そっか…おやすみ…そして…誕生日おめでとう》
麻由が微笑んだ。少年は依然としてカッコつけて目を逸らした。素直じゃないな。
少年はすぐそこのバイクに乗り、ヘットメルトを被り出そうとする時、麻由が「あの、協力してくれないかな?」少年は戸惑い、麻由が繰り返した。「協力してください」
少年はますます困惑。《どういうこと?》
【あんたは甘党でしょ。だけど男性独りで女性がメインのお店に入りつらい…うちもそうだ。うちは麻辣鍋大好きだけど、一人で食べると追加料金がある】
彼女が何か言いたいかをわからないのせいが、少年は無表情だった。あの能面みたいな顔で、麻由は慌ててになってきた。
【え…だから…もしわれらは同盟にして、うちはデザートについてあげ、あんたは火鍋についてくれたら素敵と思わない?もちろん割り勘する…】
麻由の声が小さくなってきた。少年はまったく反応してない、相変わらずの無表情でこんなこと提案した自分はアホを感じてる麻由に恥ずかしくなり、頬は火に焼けられたのように真っ赤になった。
二人の間に、たまらない沈黙の雰囲気が漂ってた。
麻由が穴があれば今すぐ入りたいほど恥ずかしくになり、下に俯き、モヤモヤな声で「嫌ならそれでいい。おやすみなさい」言ってからおじきをし、その場に離れそうとその時、「いい提案と思う」少年が口を開いた。
麻由が顔を上げ、怪訝そうに少年が出した携帯の画面を見てた。《でもおれ、辛いものに苦手》麻由が笑った。【大丈夫。白鍋もある】少年の頬が赤くなり、照れそうに笑いながら、指でOKのチェスチャーを見せた。
「あ、お名前。Your name.」麻由が言い、【近藤麻由です】
《知ってるよ、へ…変な名前》少年はクスクス笑いながら言った。交番にいた時もそうだ、彼と警察もこの態度、麻由が腹立ってた。
【変じゃない!】
「うん…いいよ…」少年は必死に笑いに我慢する表情で《翁秉毅(オング ビン イー)と申す》
【オキナ…文字数が多すぎ、なんで読むの?】
少年――翁秉毅が自分の名前一つ一つ麻由に発音を教えたが、麻由がちんぷんかんぷんだ。台湾人の名前は難しい漢字ばかりだけではなく、発音の難しさにも手上げた。
「あ、タケシ!タケシで呼んでいいじゃん」
「Takeshi?」
翁秉毅は眉を顰め、繰り返した。
【お名前には毅の文字あるでしょ、日本語ではタケシと読む。タケシで呼ぼう、このほうが覚えやすい】
麻由が微笑んで説明したが翁秉毅は相変わらず不機嫌な顔。突然日本語の名前を得たのことに気に入らないらしいだった。けれど反対もなさそう。
《好きにしろ》
麻由が愉快な顔で手を差し出した。「よろしくね、タケシくん」
翁秉毅は怪訝な表情で彼女の顔とあの手を交互に見て、しばらくしてから握手した。
「ヨロシク」