【お茶、はじめます•その1】野田藤
同じ町に長く住んでも、一度行ったことない場所もある。
野田はこんな場所だ。
わたしが住んでる今里は大阪メトロ千日前線と今里筋線のクロス。普段は千日前線を利用し、毎年四月中、今里駅に「野田藤」の開花情報や藤見マップを窓口に置いてる。去年に目をしたが気にしてはいなかったんだ。
今年もあった。
毎日お目にかかるのせいが、ある日改札口に入る前、窓口に置いてるパンフレットを一枚取り上げ、休みの日に野田藤見に行こうとこっそり決めた。
しかし観光地ではないところにわざわざ行くのは難しい。特に昼は学校、夜は夜勤、休みの日に自然に起きるまで寝たいなぁ!
そのゆえ、野田藤見はどんどん伸ばして行く。
四月後半のある日であった。
昨日帰りの途中にチラッと開花情報を見て、ほとんどのところは満開だけど散りはじめの場所もあった。もう行かなきゃ…
こうを思うと、布団の中に飛び起き、着物を着かえ始めた!
三月に着物で花見をしに行かなかった。観光客を思わせないからだ。だけど驚いたのは着物で藤見をする人はまったくいなかった。
あまりにも日常的だからな?駅前か幼児園にか、帰り道や買い物途中に顔を上げると見られるごく普通の風景。わざわざ着物着て見る必要ない、かな。洋服の日本人に混ざってる着物姿のわたし、一目で観光客にわかってる。
それでもフジの花は美しかった。
フジの花は台湾では珍しい、初めて見た。
藤棚から滝のように花房が垂れ、浅紫、ピンク、白いの花びらが青空の下にゆっくりと揺るぎっていて、微かな香りをしてた。
フジの花と桜の花とは違い、美しくだけではなく匂いもいい。これも初めて知りました。
野田は昔からフジの花の名所らしい。江戸時代に「高尾山の楓、吉野の桜、野田の藤」とういう言い伝えがあるようだ。漢字で「野田藤」で書くと、まるで人の名前だ。