あの人の名は
違う、こんなつもりじゃなかった。
やけに浮かれたアイキャッチだけど、これは手違いだ。
私は、「女の子が一枚の紙を高々とかかげるイラスト」を作りたかったのに。
「勝訴」をテーマに、記事を書くつもりだったから。
私のAIは、やけに胸元を強調する女子を出したいようだ。中に入っているのは、もしや、おっさんじゃなかろうか。
tamayuraの情報をある程度学んでいるはずなのに、なぜ?疑惑の眼差しでパソコンを見つめる。ウィーン……と鈍い音がした。
気を取り直し、スパルタでAIに指示を出して行く。
「金髪はNG」「もっと地味に、清楚に」「派手な女は好きじゃない」
途中から指示ではなく、個人の好みの羅列のような。落ち着け、自分。
AIよ。そもそも40代女性がそんな画像を求めるわけなかろう?
どう言葉にすれば、君に伝わるの?
違うって、胸の大きさを問うてるわけじゃないんだ。頼むからミサイルみたいな胸はやめてくれ。
鳩胸の方が100万倍可愛げがある。
「胸を小さく」と指示したら、さらに厄介なことになった…(察して)
結果、この画像が一番まともだった。
記事の内容に合わせたイラストを作りたかったのに、本来のイメージと大分かけ離れている。
もういい。このイラストに寄せて、記事を書くことにしよう。
例えば、JK時代の思い出とか?え、書いちゃう?
40代だけど需要あるかな。無いよね、あるわけ無いんだふざけるな(結論まで0.2秒)
急に、ないかなーないよなーみたいな歌を思い出す。
あの曲大好きだったな。
タイトルでてこないけど。
あの曲がり角から現れろ、魔物パワーで僕のものになれ、と。他人任せで横暴すぎる恋の歌も懐かしい。
タイトルでてこないけど。
全て、ふわっとしている。
ぜんぜん分からない。私は雰囲気だけでnoteを書いている。
調べたら負け。明日までには思い出すから、待ってて(誰に言ってるの?そして誰と戦っているの?)
あれ?ちょっと待って。
この女の子の勢い、誰かに似ているような。
そう思い、画像を編集して、手にキャッシュカードを持たせてみた。そしてカードの番号を叫ばせてみた。
あの人だ。
彼は元気にしているだろうか。
もし良かったらサポートをお願いします。ヒールの底が内側だけすり減っているので、まずは均等な靴を手に入れます。そして踏み出す一歩となる(気がする)