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「結婚」がこわい #分岐点話

ずっと「結婚」がこわい。「結婚」制度のとりあつかいに迷っている。だから、わたしにとっていちばんたくさん悩んだ分岐点は「結婚」に関するあれこれだ。

分岐1:交際0日で、1度目の結婚

わたしの結婚が流れたとき、半年後に挙式を予定していた妹たちの結婚も延期になった。田舎にある不文律「上の子から順番に結婚しましょう」の圧力に負けた。

だったら、早く誰かと結婚してくるしかない。でも、どうしよう。

そのぼやきを気の合う仲間内でぐちっていたとき。似た境遇にいた友人とはなしが弾んだ。彼の弟も同じく結婚のタイミングを計っており、彼の親族や上司からの見合い攻撃にうんざりしてた。

知らない誰かとお見合いで半年以内に結婚するより、気の合う仲間と交際0日の結婚の方が家族になれる気がする。お互い単身赴任?での結婚を決めた(当時、わたしは広島で彼は青森にいた)。そして4か月後に別居のまま婚姻届を出した。

そして、わたしの妹も彼の弟も婚約者と無事、結婚した。わたしたち夫婦でふたり、ほっとしたのを覚えている。ついでに妹の結婚式と義弟の結婚式の親族席で、わたしたちのお披露目をこそっと行った。満足した。

弟たちの結婚式があったころ、わたしの転勤が決まり、夫婦で暮らし始めた。夫婦というよりは学生のころの合宿みたいだった。ふたりの間に気づかいや愛がなかったわけではないけれど、繁殖行為は存在しなかった。少しずつ夫婦になれればいいかと思ってた。

わたしは土木系の技術者で、現場への長期出張を当たり前のようにしていた。自宅に戻るのは週末だけ(それでも、結婚前は現場近くの宿舎に詰めっぱなしだったから、車で2時間以上かけ週末に家へと戻ってた結婚後は、ほめられていいとわたしは思ってた)。

現場に出ている女性技術者はほぼおらず、調査で組むバディ(相方)は男性。夫の職場は、チームメンバーがほぼ女性。それぞれが、夫婦ではない相手と過ごす時間の方が長い。バディとふたりで長期出張するわたしにむける、噂ガラスたちの声もやかましくなっていく。夫とわたしとお互いに好意も家族愛も持っていて、少しずつ夫婦になりかけていただけに、噂はかなり苦しかった。

わたしは、なんとか理解してもらいたくて、周囲にも夫にも説明を続けたつもりだった。けれど、はっきりものを言いすぎるわたしの説明下手のせいで、夫は周りの人たちから「妻の管理が成ってない」と言われはじめた。夫もうんざりするようになった。

それならせめて、と。それぞれが「夫」と「妻」の役割を果たそうとしていた。でも、それぞれの思う普通の「夫」「妻」の像が掛け違う。現実の暮らしにもなかなか合わせられない。

性別が逆だったら、これほど言われなかったのにと、ため息をついた。ますますふたりで息苦しくなっていった。

技術者であり続けることを、わたしはあきらめられなかった。周りを振り切るだけの強さも持てなかった。

分岐2:離婚してすっきり卒業

そして、ようやく離婚を決めた。彼を嫌いになったわけではなく、結婚の息苦しさにわたしが耐え切れなくなったから。

1度目の結婚は3年で閉幕。卒業とあいなった。
「誰かのためにした結婚は、自分のために分かれることになる」と、のちに心理学スクールで学んだのだが、その通りの結果となった。妹や弟たちのためにした結婚は、じぶん達のために分かれることになった。

これでもう、よき妻であることを周りから強要されずに済む!

苗字をさっさと元に戻して、すっきり。当時担当していた業務で、免許の名義変更手続きをした翌日。朝礼で皆から「結婚、おめでとうございます」と言われたのは笑い話だ。まさか結婚している女性が、長期出張で働いている技術者だとはだれも思っていなかったみたい(まあ一部の上役さんは知っていて、あとで頭を下げられて困った)。

それでも、離婚は私なりにショックが大きかった。離婚後1年強のできごとは、記憶障害をおこしておりモザイク状にしか記憶がない。会社の中でのトラブルも重なり、うつ病を発症することになる。

けれど、離婚したおかげで東京勤務ができ、好きに働けるようになり仕事の幅も広げられた。うつ病治療で出会った療法士さんたちのおかげで心理学スクールに通う決心がついた。そして、今現在、カウンセラーなぞやっているのだから、おもしろい。

分岐3:2度目の結婚

周りが求める「妻」の像は、わたしにあわない。氏名も変えたくないから、もう婚姻届けは出さないと決めた。

そして離婚から7年過ぎたころ、一緒に過ごしたい相手ができた。
でも「結婚」は無理だ。わたしは「妻」になれないから。と、彼に正直に伝えた。

「それなら同棲でもいい。住民票は「妻(未届)」で出そう」との提案受けて、一緒に住み始めた。そのうちに彼がわたしの姓になることを決め、婚姻届を書くよう差し出してくれた。今の夫がわたしの分岐のスイッチを押してくれた。

でも「結婚」を生涯続ける自信はわたしにはない。どうすればこの「結婚」を続けられるかをはなしあうきっかけを残すため、毎年、契約更新する形での結婚をお願いした。

そして、わたしは彼との戸籍の筆頭主になり(結婚したとはこの期に及んでまだ言いづらい)、彼がふたり住む家の世帯主になった。

※「婿養子」ではないと強く主張したい! 夫がわたしの親の養子になってから婚姻届出すのが婿養子。わたしを戸籍の筆頭主として婚姻届を出せば、夫が「いちき」姓になる。もし、名字を変えることが「妻」になることなのであれば、うちでは夫が「妻」になりました。

分岐4は来るか……

さておき。こうして始まった2度目の結婚。そろそろ10回目の結婚更新時期がやってきます。

今年も、無事に契約更新となるのか。ここで「離婚届」提出になるのか。

一緒に暮らしていくことを前提に、これからの話をしているからには、おそらく今年も結婚更新になりそう。分岐4はまだ来ない、はずね。

わたしにとっての分岐=結婚

たなかともこさんの企画 #選択のあとに #分岐点話  のおかげで、改めて「結婚」を考えることになりました。ありがとうございます。

1度目の結婚も、2度目の結婚も。おそらく、一般的(?)な結婚ではないと思う。

人の数だけ、夫婦の数だけ形なんて在るべきよ!って思うから。

これはともこさんの言。わたしも、そう思ってる。

わたしにとって結婚は、家族になること。結婚に恋はなくて、愛を育てるものみたい。

「結婚」を考えると「恋愛」もあわせてついてくる。そもそも恋愛対象が異性であるとは限らない性分。恋(恋愛)がしたいなら、結婚の外になる。このあたりも更新制の結婚を取り入れもらった理由になるかもしれない(そのあたりは別noteにしようと準備中)。

これからも、いろいろな人たちの「結婚」観や「夫婦」像をみせてもらって。素敵と思えば取り入れて、無理なくふたりで笑って過ごせる形を探ってみたい。

ああ、記事がみつからないぞ、本人のたまこちゃん召喚しておこうw

はーい!召喚されてみた。「毎年(結婚)契約みなおし」する夫婦のはなし。そういえばnoteでは書いてなかった! すこし書いたよ。こんな感じで結婚つづけてます。

これにて、どろん。


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