明るいのに暗い。暗いけど明るい。
まっすぐに遠い青がある。明るく透き通った青。
その青の前に立ち、身体を外へ向けて絞り出した。透明なゆらぎが青のむこうから来て、どこかに消えた。
春は明るいのに、こんなにも暗い。
だれかの、何かの言葉で聞いた。今の、わたしもそう感じている。
外の景色が明るくて、こころが明かるさの向こうへ引っ張られる。
内からじわっと暗さが湧いてくる。こころの影が深くなる。
たくさんのことをして
たくさん学んで
同じようにはじめて
同じようにおわろうとする。
それなのに、わたしだけがぽつんと。
取り残されている。
さびしい、さびしい。
周りから見たなら、わたしが駆け出して先へ行ったのかもしれないし。途中、脇道へ入って消えたのかもしれないし。
春は始まる、その前に終わりがある。
終わりはさびしい。
さびしいけれど、向こうに明るい「何か」が待っている。