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元技術者の記憶

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#思い出した

山を思い出す

山を思い出す

がさがさ、ごそごそ。草を踏む音が聞こえてくる。

だれかがこの道を上がってきたのだろうかと、道を開くために持っていたナタを腰に戻し、石を採るためのハンマーを握りなおす。音のする方をじっと見る。しばらく待つ。

けれど、何もでて来ない。

また風の音か、小さな動物でも動いたのか。けものの匂いはしてこないから、いたとしてもネズミの大きさ。それにしては、音が大きかったな、と思い出して、考えるのをやめる。

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