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世界はまだまだ面白い!#112 テレックス(2)

ダマスカス空港に到着しました。歴史を感じさせる空港です。当時のレートは、私の知る限りでは、公定レート(一番悪いがホテルの支払いとかには、このレート)、ツーリスト・レート、エンカレッジング・レート(お土産用)の3種類あり、街中では他のレートもいろいろあったようです。パリを思わせる街並みを「縦目の古いベンツ」に乗って、仕事関係先の事務所に向かいました。狭い事務所に「テレックス」マシンと古い電話機が置かれてあります。まだ打ち合わせ中でしたが、夜になると、灯火管制で、電気を消されてしまいます。事務所の日本人の方は、もちろん単身赴任で、何と、日本人学校もあるという事でしたが、先生は一人で、生徒は先生の子供たちだけという状態で、その後、すぐに無くなりました。当時、私は、日本から出張の際には、スーパーで買った「日本食」をたくさん持ち込みましたが、ダマスカスでは特に喜ばれました。

次の日から、客先訪問で、現地ローカルの方を一人連れて、ダマスカス、ホムス、ハマ、アレッポ、タルトゥース、ラタキアと点在する都市を精力的に回りました。装甲車両が慌しく行き交う道路で、「縦目の古いベンツ」は故障し、激混みの「長距離乗り合いバス」と「タクシー」を乗り継いでの移動で、季節外れの、「猛吹雪」にも巻き込まれました。

一つだけ良いことは、世界遺産「パルミラ遺跡」に、途中、立ち寄ることが出来た事です。全部見たら「中東通」と言われる「中東の3P(ペトラ(ヨルダン、インディジョーンズのロケ地、ロバでしか行けない)、ペルセポリス(イラン、いつも霧で行けない)、パルミラ(シリア、砂漠の真ん中で遠い)」の一つである、パルミラは、圧倒的な規模と美しさを誇る遺跡です。

現在、パルミラは、シリア自体が、外務省の渡航情報で、レベル4(退避勧告)で行けませんし(大使館も閉鎖)、そもそも、ISによって、遺跡は爆破されているので、今はもう見ることが出来ません。

行きたい場所には、行ける時に、無理をしてでも行っておくべきですね!


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