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高次脳機能障害「私」のマイクロツーリズム~結婚記念日~

明日4月10日は、「私」とたまさん(「私」のだんな)の結婚記念日。
画像は結婚1年目の記念写真。
二人とも若いね!
しばらくは、毎年キャンドルサービスのろうそくを立て記念日を祝った。
それがいつの間にか「儀式」はしなくなってしまった・・・・・・。
ただ、一応「私」たちの中では、この日は特別な日として共有している。

不思議なのは、高次脳機能障害で重度の記憶障害のある「私」が、この日と「私」の誕生日、そして、たまさんの誕生日は覚えていることだ。

「私」は受傷後、約2か月間、意識が回復しなかった。
が、ある日、「私」が目覚めたことをうっすらと感じた看護師さんが主治医を読んで、いろいろ質問したらしい。
ちなみに家族の名前や誕生日など、みんな答えられたそうだ。
笑えるのは、その中で主治医が「だんなさんの会社の名前は?」と聞いたら、「ダイエー」ときちんと答えたという。
心の中に強く刻み込まれた記憶というのは、忘れられないものだな。
それとも、たまさんの会社、「私」にとって印象深かったのかな。
(当然、記憶は人によるし、受傷した場所によっても異なる)

その一方で、消え去る記憶も多い。
自分がいた過去を思い出せない。それはそれでとても寂しい。
そう考えると、記憶とは不思議なものだ。
ただ、どんなに記憶の障害があっても、この日(結婚記念日)だけは忘れたくない。いろいろ過ぎ去り、薄れていく思い出の中でも、「私」たちのこの日は特別なんだ。
そうか、結婚してもう35年がたつのか。
結婚記念日にあたり、絶対に忘れてはならない「記憶」を改めて確認した次第である。

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