Dr. Sの散歩道②【3型糖尿病って知っていますか?】
こんにちは。
玉谷クリニックです。
食生活の乱れで起こる2型糖尿病、自分の免疫機能が異常をきして起こる1型糖尿病については、良く耳にしたことがあるでしょうが、『3型糖尿病』って何?!そんなのあるの?
皆さんは、認知症の予防には生活習慣病としての糖尿病、高血圧、高脂血症へのしっかりとした対応が重要である事はご存知でしたか?
認知症(アルツハイマー病など)とこれら生活習慣病に関わりがあるなんて考えたことがなかった人も多いかもしれません。
特に、糖尿病と認知症に関しては深い関係が報告されています。
糖尿病になるとアルツハイマー病のリスクが2倍になり、インスリン治療をしている患者さんではさらにその確率が高くなることが知られています。
その原因や、適切な対策は一体どのようなものがあるのでしょうか?
糖尿病は微小な血管にダメージを与えることで、網膜症や腎機能障害を引き起こすことはよく知られていますが、同時に脳への血流が不足する原因となるような血管の障害も引き起こすことが知られています。
微小な血管が脳の中で障害されると、そこから栄養を補給しているニューロンネットワークやグリア細胞などもダメージを受け脳の様々な部位で中枢神経系に障害を与えることになり認知症につながるものと考えられます。
具体的な糖尿病とアルツハイマー病の関連についての要因にはインスリン抵抗性や、脳内のインスリン欠乏に起因して、アルツハイマーの原因となるアミロイドβ蛋白の分解が抑制されることがわかっているため、アルツハイマー病は『3型糖尿病』あるいは『脳内の糖尿病』と言われることもあります。
これらの病態を考えますと、いかに日頃からの血糖コントロールが脳の血管を守り、認知症の予防に大切かということがわかると思います。
さらに、高血圧は血管の変化をきたし、脳血管性病変につながりやすくなる可能性があること、またコレステロールに関しては、一定の見解は得られていないものの、高脂血症がアルツハイマー病に関連する報告もあり、コレステロールを下げるお薬がアルツハイマー病の発症を予防するという報告もあることから、これら生活習慣病をキメ細かく管理していくことの必要性がわかりますね。
玉谷クリニックでは、一般認知症検査(長谷川式など)の相談も可能です。
糖尿病治療はそれぞれの患者さんの生活環境や病気の状態に応じた細かいフォローを行っており、高血圧、高脂血症についても継続した管理が可能です。
「充実した検査のできるホームドクター」としていつでもあなたの相談に乗りますので、健康診断の異常値なども含めてお気軽にご相談ください。