ロシアのホテルで知った無自覚の差別
こんにちは、たまです。
実は、数年前にロシアに出張したことがあるんです。学会発表で。
え、ロシア?
はい、ロシア…。
旅行先としては選ばれにくい国のひとつですね。出張さえなければ、一生いかなかった国かも。
学会が開かれる会場は、わたしたち発表者が泊まるホテルでもあり、移動が楽ちんでした。
今回のおはなしは、そのホテルの朝食会場のこと。
朝食会場が2つある理由
朝の7時半に、朝食会場の入り口で、わたしたち日本人チームは集合することになってました。
ふと入り口をみると、朝食会場がなぜか2つあり、そこにロシア人のホテルマンがひとり立っていたのです。
海外出張に長けた上司Aに尋ねると、
とのこと。
・・・これ、差別ですよね?
出身国によるあからさまな差別に直面したことがなかったので、結構衝撃的。
でも、そのときは、
中国人のマナーの悪さに対して「確かにな~」と共感をしてしまったんです。で、そのまま「中国人以外の朝食ゾーン」に入り、静かな朝食を取りました。
差別をしてる人はどっち?
中国人に対する差別をしている人はどっちなんでしょうか。
この仕組みを作ったロシアのホテル
中国人のいない空間で「あーよかった」と思いながら朝食を食べるわたしたち
これ、両方差別してますよね。
もちろん、きっかけとしてはロシアのホテルが作った仕組み(朝食会場で中国人を分離する)だと思います。
でも、メリット(?)を得たいわたしたちのために作られた仕組みですよね。このおかげでメリット(?)を得ているわたしたちは何も悪くないのでしょうか?いや、悪い。
「わたしは決して差別なんかしない!」って、ふつーに思ってました。
きっと、世の中の人はほとんどそうだと思います。
でも、この体験で浮き彫りになったように、
差別ってとっても平凡で、わたしたちの日常に潜んでいます。で、無意識のうちに、差別に加担してる可能性が高い。
まずは、自分が差別をしてる可能性があることを知る ことが、差別をなくしていく第一歩なのかもしれません。
原因は、特徴を単純化しすぎてること
朝食会場で排除された中国人。
理由は、 「中国人はマナーが悪いから」 っていうこと。
・・・正直に言います。
上司から、朝食会場で中国人が排除されている理由を聞いたとき、
「ま、仕方ないよね、実際そうだし」と思いました。
「安心して食べれてよかった」とも。
振り返って今、思う。
「中国人=マナーが悪い」という思想、、かなり短絡的だし、偏見。
もちろんマナーが悪い中国人はいると思います。
でも、日本人でマナーが悪い人もいる。反対に、マナーが良い中国人だっています。マナーがよい日本人がいるのと同じように。
国民性とか、単純化しすぎてました。
主語がでかすぎてよくTwitterで炎上しているツイートとかあるじゃないですか。「女性は~」とか。
いっしょですよね。
主語でかすぎ。ひとくくりにしすぎ。
日本人は勤勉で、とかいうけど、めっちゃサボるおじさんたち結構いますよね?
すべての差別の原因は、単純化しすぎだからなのかもしれません。
来ない、上司B
さて、話しはロシアに戻りまして。
会社メンバーで朝食を取ろうと約束したものの、集合時間になっても40代の課長(男性、コワモテ)が全然来ないので、先に朝食を取ることに。
朝食も終盤、さあ席を立って部屋に戻ろうとしたとき、上司Bがやっと現れたのです。
どうしたの?何かあった?と聞くと・・・
これを聞いたわたしたち一同、大爆笑。
「中国人に間違えられて、こっちの朝食会場に入れなかったってww」
上司Bのキレキャラもあいまって、より一層笑ったのです。
日本に帰国してからも、笑える土産話として(朝食会場が分けられてた背景とともに)いろんな人に話していました。
わたしたちが笑った理由
なんでわたしたちは笑ったんでしょう?
日本人が(あの)中国人に間違えられたこと?
(いつもなら優先されている)上司が排除されたこと?
この笑いって、どこかの誰かを侮蔑して、優越感を感じてるから生まれてるかもしれない。そしてその人たちを傷つけてるかもしれない。
なんて、どす黒い心を持ってるんだろう。そんな自分を認めたくない気持ちになります。
うまく言葉で表現できないけど、いいことではないことは伝わったかと思います。
余談だけど、ぺこぱのような、誰も傷つけないお笑いっていいですよね。私は好きです。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
ふと、ロシア出張の話を思い出したのでいろいろ綴ってみました。
差別問題についてもっと知りたくなったら、こちらがおすすめです↓
またね