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ご近所さんからの仰天いただきものランキング👑
アイスクリーム、チョコレート、ゼリー、ジュース、おせんべい、水羊羹、メロン、桃、どんこ煮、ビール、タケノコご飯…。
これは、約二年前に私が今のマンションに引っ越してきて以来、ご近所さんからいただいたものの"ほんの"一例です。
マンションはご近所付き合いが少ないとよく聞きますが、このマンションではびっくりするくらいにあります。
今日は、ご近所さんからの"パンチの効いた"いただきものをご紹介します。
仰天いただきもの 第3位👑:コンビニの肉まん
このマンションに越してきて、間もない頃のことです。
子どもと近所の公園で遊んだ帰り、マンションのエレベーターで他の階に住むおばあさま(当時面識無し)と乗り合わせました。
「こんにちは」と挨拶を交わし、子どもがおばあさまに向かって「何階ですか?」と聞くと、
「あらまあー!いい子ねえ、これあげるわよ!」と、おばあさまが手に持っていたコンビニの袋をそのまま手渡されました。
手渡された袋からは白い湯気が。これは、明らかに買ってきたばかりのホットスナックが入っている。
お気持ちに感謝しつつもさすがに申し訳ないので「そんな、ご自身のために買ったんですよね」とやんわりお断りしますが、「いいのいいの!召し上がってちょうだいな」とかなり押しが強めのおばあさま。
こういうとき、大人は遠慮の美学ですが、子どもは人様からの「あげる」には非常に素直に従います。
躊躇ゼロで「ありがとー!」とコンビニ袋を受けとる子どもにおばあさまは破顔一笑、「じゃあね、ごめんください」とご自分の階で颯爽と降りて行かれました。
帰宅後、袋の中身を確かめると、キットカットとホカホカの肉まんが入っていました。
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みなさん、初対面の人からエレベーター内で肉まんをもらったこと、ありますか?私は初体験でした。
なんか変わったマンションだな・・・と思いましたが、これはまだまだ序の口でした。
仰天いただきもの第2位👑:服の型紙
仰天いただきもの第2位の品は、何の前触れもなく、自宅に届きました。
ある日玄関の掃除をしていると、ドアポストに何かが入っていることに気がづきました。
開けてみると、古びたわら半紙に鉛筆で図が書かれていて、どうやら服の型紙のようでした。
そしてその型紙と一緒に「XXX号室 A田A子」と名前が書いてありました。
Aさんは、お隣に住むおばあさまです。
「服の型紙がなぜ私のドアポストに?Aさんの名前が記されているのはなぜ?これはAさん自身の署名?それとも、誰かがAさん宛にあげようとした型紙が誤って我が家に?となると犯人はこのマンションの住人?犯行動機は?真実は本当にひとつなの?」と頭をフル回転させるも、名探偵コナンも真っ青の不可解さ。
このまま放っておくと迷宮入りしそうだったので、Aさんを訪ねました。
「この紙が、うちのドアポストに入っていて…」と言い終わらないうちに、
「あーそうそう!これね、子供服の型紙なの!アンタんとこちっちゃいボクがいるでしょ、ボクのサイズにぴったりの型紙だから洋服作ったら?と思って入れといたのよ!すっかり忘れてたわ」
と矢継ぎ早に言われました。
なるほど。
言われてみれば、ちょうどウチの子どもサイズの型紙。
気にかけていただきありがたいなと思いつつ、服そのものではなく服の型紙をプレゼントというのは、なんとも斬新だと思いました。
ありがたく受け取りましたが、口が裂けても「私はミシンを持っていないので作れません」とは言えませんでした。
仰天いただきもの第1位👑:新札
個性豊かで愛にあふれたご近所さんふたりをご紹介しましたが、トップオブトップは数戸隣に住むSさんです。
Sさんは90歳超えのおばあさまで、とにかくお元気。
お付き合いが活発なのか、Sさんのご自宅には親戚・友人からひっきりなしにいろいろなものが届けられます。
食べ物の贈り物が多いそうで、「ひとりじゃ食べきれないから」といつも私たちにおすそ分けしてくださるのです。
冒頭の「アイスクリーム、チョコレート、ゼリー、ジュース、おせんべい、水羊羹、メロン、桃、どんこ煮、ビール、タケノコご飯…」は、すべてSさんからの頂きものです。
特にお中元やお歳暮の時期になると大忙しで、Sさんの家には毎日のように宅配業者がやってきて、Sさんの玄関は段ボールで埋め尽くされます。そして、私たちも毎日のように呼び出され、忙しくなります。
「メロンが送られてきたから貰ってちょうだい」と言われ取りに行くと、美しいメロンをまるまる2つ持たせてくれます。
絶対に自分では買えないような立派なメロンで「ありがたや…」とつぶやきながらいただきます。
「ビールが届いたんだけど重くて開けられないの、手伝ってちょうだい」と頼まれ、夫が開封を手伝いに行くと、なぜかビール6缶セットを持たされて帰ってきます。
「それどうしたの?」と聞くと「手伝ったお礼にいただいた」と。夫は下戸なので私がすべていただいています。なんとありがたい…。
いつもいただいていてばかりでは申し訳ないと、遠出した際はSさんにお土産を買っていくのですが、お土産を渡したそばから「そういえば梨とさつまいもが届いたから持っていきなさい」「ボウヤはこのアイス好き?」とわたしたお土産以上のお土産をいただいて帰る羽目になります。
現代版・わらしべ長者です。
そんなパワフルなSさんからつい最近いただいたものが、仰天いただきものの栄えある第1位となりました。
2024年7月3日。二十年ぶりに、新紙幣が発行されましたね。
同日夕方、ピンポーンとインターホンが鳴りました。Sさんです。
いつもなら「XXが来たから取りに来てちょうだい」と元気に話してくれるのに、今日はやけにひそひそ声で、こう聞くのです。
「おかあさんちょっとあなた、新札持ってる?」
あまりにひそひそ声だったため「新札持ってる」を「診察待ってる」と聞き違え、「あらやだSさん調子悪いんですか?」と若干かみ合わない会話を数ターンしたのち、新紙幣のことだと判明。
「ああ、新札!そういえば今日からですね、ニュースで見ましたよ」と伝えると、Sさんは二ヤリと笑い、懐からピッカピカの1万円札と千円札を出してこられました。
「さっき大きな銀行に行ってきたのよ。5千円札は手に入らなかったんだけど、1万円札と千円札は入手できたの。あげるわ」
と言うのです。
げ、現金!??
「いやいやいや、さすがにこれはいただけません」とお断りしたのですが、おばちゃん同士あるあるの「いいのよもらって」「だめですよそんなの悪いわ」「いいって言ってるでしょ」の応酬をしているうちに夜が更けそうだったので、私は
「…わかりました、ちょっとお待ちください」
と言い残し、家にある現金をかき集めて1万1千円分を用意し、Sさんの持っている新札合計1万1千円と交換し、事なきを得ました。
その日の夜、「念には念を…」とコンビニATMに行きました。
そして、翌日4日の夕方。
ピンポーン。インターホンをチェックすると、Sさんです。
Sさんはもちろん、新5千円札の北里柴三郎を持っていました。私も慣れた手つきで、昨日ATMで下ろしておいた旧5千円札の樋口一葉を渡しました。
Sさんの5千円と私の5千円を交換。これぞほんとの等価交換。
おかげで、我が家には新紙幣が発行二日目にはすべて揃っていたのです。新紙幣はすでに街中で見るようになりましたが、このお札は記念に取っておくことにしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1724731107947-X1r0wSMiLS.jpg?width=1200)
こんな感じで、私の住むマンションはお茶目なおばあさまばかり。
それにしても、なんでおばあさんはこんなにいろいろくれるのだろうと不思議だったのですが、私にもすでにその片鱗があるようです。
社内ミーティングやバーベキュー場の営業日など、会社のメンバーと対面で合うとき、私はやたらとチョコやらアイスやらコーヒーやらをメンバーに分け与えたくなる衝動にかられます。
かつては「贈り物で気遣いができるワタシ☆」的な自意識があったように思いますが、最近はそういうのもなく、「あげたいからあげる、相手がどう思うかは別に知らん」的な意識に変わってきています。
理由はわかりません。
私がエレベーターで肉まんをあげたり、服の型紙をドアポストに入れたり、新紙幣を渡すようになる日も、そう遠くなさそうです。