《44》花粉症とタマラ・ヒーリングの思い出
今からもう10年以上前になるのだろうか。
ある春の日、創始者のご自宅で過ごしていた時のこと。
この季節になると、毎年、創始者を筆頭とした花粉症の先輩方が、花粉症をネタにしてワイワイと楽しむのが恒例行事のようになっている。ちなみに通年行事はダイエットだった。
リバウンドを得意として、ダイエットを趣味にしている皆様のご様子は、今にしてみれば思い出す度に笑顔になれる、とても楽しい思い出なのだけれど、当時の私は、かなり身体を作り込んでいて、しかも美に対して努力を惜しまないことをこの世の正義だと思い込んだ傲慢さに加えて、冗談が全くといっていいほど通じない石頭の人間だったから「らこちゃんは若くて綺麗ねー、いいわねー」など言われた日には、こっちは努力して自分を作っているのに、何を言っているのか、と本気で腹立たしく思っており、花粉症やダイエットの話題に混ざることは一切なかった。
そのような私だったのが、その年は、なんだか目が痒く、くしゃみもとまらないことも多く、その集まりの席でも鼻水が出ていた。
その様子をみた創始者が「あら、らこちゃんも花粉症じゃないの」と笑うと、その場の皆様が「いよいよ仲間入りね」的な、期待に輝く表情で一斉に私をみた。
それで、私の何かに火がついたというのか、何かのスイッチが突然入ったというのか、「違う!!!!!花粉症じゃない!!!!!」と、ものすごい勢いというのか、怒りというのか、ブチギレたというのか、なんとも表現しがたい感覚とエネルギーが全身全霊に爆発したようになった。
すると、次の瞬間から、鼻水がピタリととまり、目の痒みや、なんともいえないスッキリしない感覚も消えてしまった。
これが世に語り継がれる「らこちゃん、気合いとタマラで花粉症を治すの巻」だ。
世に語り継がれているのは嘘だけど、それ以来、花粉症らしき症状は一度も出たことがないのは本当の話。
「タマラすごいです!花粉症治っちゃいましたよ!!!」と大興奮しつつ、こうやってエネルギーを使えば瞬間的に治すこともできるのに、、、という私の思いを読んだ創始者は「まあ、私は花粉症をネタにして楽しんでいるからね。皆さんと色々話すのも楽しいのよ」と大らかに微笑んだ。