旅する土鍋2017アーカイブ
※今年も「旅する土鍋」をはじめるにあたり、昨年こちらに投稿していなかった「旅する土鍋2017」アーカイブ記事をまとめています。
2017.07.23 ミラノ
7月の週末となると、もはや週末は海や山に出かける人が多く、太陽が照りつけるミラノは耳がツーンとするくらい静まり返っている。「旅する土鍋2017」スタートして数日経過だが、ひとつめの仕事は日本に持ち帰って合同展をするための師匠グイド・デ・ザンの作品選び。工房の暑さに頭がもうろうとしてくると「さあ、かえろう続きはあした」「選んだら海の家にいこう」と師弟ぐでぐでで、半日で仕事を終えたり、早々とバカンスに行くイタリア人の気持ちがすっかりわかる。そんな熱風の街。
ここで再度、師匠のことについていくつか紹介しておこう。
まずは2016年に書いたnote
◎2016年3月note
92年に足を踏み入れたイタリア。90年代後半やっと念願の師の弟子として工房で作陶させてもらっていた。「せまいから」「給料はらえないから」「英語しゃべれないから」など、なんども“やさしく”断られ、そのあいだフィレンツェで修行したり、ファエンツァの陶芸高専かミラノのブレラ美術大学に行こうか見学したり、たくさんの陶芸家を訪ねてまわった。けれど、わたしの目的は技術の取得ではなかった。
「おしえないから自由にやって質問してくださいね」彼のその言葉がわたしの「そこにいる」意味にぴったりで。『陶芸道』ってなんだろうか、行きつくは『生きる道』ってなんだろうか、たくさん質問したかったし、彼のここまでの陶芸道の深みや背景を見たくて。
2013年、師弟は涙の再会をしてから、今年も師匠のお宅兼ギャラリーに図々しくも転がり込んでいる。ちなみに昨年は、ギャラリーのすみっこにマットレスを置いて版画の輪転機の下で眠る生活をしたが、今年は息子が留守ということで部屋をひとつ使わせてもらった。70過ぎたマエストロとの生活は「ボンジョルノ、タマミ、マダイタカ」からはじまる。
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