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「精進スープ」の滋味を悟る②

材料は白菜と豆腐と塩とごま油だけ。ああ、わかるわかる!ああ、この組み合わせならやってる!と行き去りがちなところブレーキをかけて止まってみる「シンプルであればあるほど紙面や画面のレシピからは真の魅力が見えにくい」のだ。(「精進スープ」の滋味を悟る①よりつづき)

料理には殆ど不便しない経験を重ねてきたが、そんな理由から狙いのしっかりした料理教室には顔を出す。有賀薫さんのスープ教室もそのひとつだった。

では、スープ教室から帰ってきて自宅ですくったスープの様子を。


有賀薫さんの「白菜と豆腐の精進スープ」
※詳細レシピは有賀薫さん「スープレッスン」cakes連載

(写真:Cocciorinoのスープカップでつくる「白菜と豆腐のスープ」)

自宅では、土鍋2つ使いで4人分量をつくり、もうひとつ直火にかけられるスープカップでも一人分。炒める、煮る、盛るの3つを一度に担うCocciorinoの土鍋やスープカップ。そのまま食卓へ。①編の冒頭で吐露した通り「手抜きな暮らし」に便利な器。

あえて我が家は極々薄い塩味に。

いただきます!のあと家族全員が一斉に「おいしい!」「白菜が甘い!」「豆乳の甘い味がする」などなど。(豆乳は入れていない)たいした豆腐でなかったが「大豆の旨味」が染み出て「白菜の甘味」と合体していた。これはぜひ薄味で素材の旨味を堪能したい逸品!

(写真:土鍋大(3人分)/Coccoiorino)

シンプルにスープを一通り味わったあと、上写真のように勝手にアレンジ編ということで、おうどんを入れてみた。豆乳を加えたかのような白濁したスープは再び煮たためかコックリ美味。ほんのりごま油風味もたまらない。柚子の千切りを乗せて、生姜を添えていただけば、さらに食欲をそそる。


(写真:スープ教室での試食)

実際のスープ教室では、数種の精進出汁の説明につづき、白菜や豆腐の下ごしらえや調理のコツ、塩加減などについて有賀さんと参加者のみなさんでアレコレ言いながら楽しんだ。そんな会話こそ雑誌やネットのレシピにはない部分であり記憶に残るもの。まさしく「光る原石」の発掘。それをプロの有賀さんが「コツ」という道具で宝石にするというわけだ。

イベントが開催されていた西新宿の常圓寺。高層ビルに囲まれているものの静かな佇まいで山門は待っていてくれた。工房から走りっぱなしで時間ギリギリ。悟りに入るための門をまたぐには、おじゃましますと深呼吸。

階段を下りた厨房にもお線香の香り。そんな中で食べた精進スープは格別であった。みなさまも機会あればぜひ!


※工房名「地球のかけら」は魅惑の食材をのせる器として2017年も
地球を応援していきたいと願っています tamamiazuma.com

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