そこはかとなく感じる矛盾

「赤ちゃんとママたちの幸せを1番に考えているの」
自らの仕事に対する信念と共に、そう話した年配の助産師が
「わたしの子どもたちは全然ダメ。結婚しないし、親の言った通りの職にも付かない。わたしは早く孫の顔が見たいのに」と言った。

転職のために求人サイトを眺める日々。
「子育て世代のママさん大活躍中!」
「子育てに理解のある職場です」
そう謳っている求人にいくつか応募した。
電話口で聞かれるのはまず子の年齢。
0歳と2歳ですと答えるとその時点で門前払い。
こちらの志望動機や所持資格、キャリアプランの話なんぞ聞いてはもらえない。
中には「子育てっていうのはお家で1人でお留守番できる、小学生くらいの年齢からのことよ。乳幼児なんて子育て世代とは言わないわ」「乳幼児育てながらフルタイムなんて、仕事に穴あけられたら困ります。パートならいいですけど、土日も働いてくださいね?」「子どもが熱を出して仕事を休んだら、もともとあなたが休みだった予定の日に、出勤してもらいます。出勤を交代してくれたスタッフを休ませるためです。だってそこはお互い様でしょう?」と、子育てている女性管理者から言われるケースもあった。

そもそも「お互い様」は迷惑をかけたもの同士が配慮し合うときに使う言葉であって、第三者が使う言葉ではない。
管理者に必要なのは、社員の休みを強制変更し「お互い様」という安直な言葉で片付けることではなく、子の看護休暇で元々の休みを削らなくても会社が回るように体制を整えることである。

管理者は「なんでうちの職場にはスタッフが集まらないのかしらねぇ」なんて首を傾げている。

本当に、なんでなんでしょうね。


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