映画『Midnight Swan』を観てきた
2021年の日本アカデミー賞最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を取った『ミッドナイト・スワン』を見てきた。
トランスジェンダーの主人公凪沙は、シングルマザーの従妹が娘、一果に虐待をしたことをきっかけに、その娘を一時期預かることになる。はじめはお金目当てで預かることにしたが、ひょんなことから一果も苦しみを抱えていることを知り凪沙の母性が目覚める。男であること、トランスジェンダーであること、一果には本当の母親がいること、様々な障害があるなか、バレリーナになりたいと願う一果を必死で守ろうとする。
草薙剛が最優秀主演男優賞を受賞するのは納得。投げやりな対応だったところから母性が目覚めて守りたいと思い始めてからの一果を見つめる眼差しは完全に我が子を見守る親で、性別を完全に超えていた。『チョコレート・ドーナツ』のアラン・カミングを彷彿とさせた。
後半は性転換の痛々しさがリアルで、それが一層、愛しているのに育てることはできないという切なさを強めていたと思う。
この映画に最優秀作品賞を与えた日本アカデミー賞は捨てたもんじゃないなと思う。これから日本の映画もまたいい作品がたくさん出てくる予感を感じさせワクワクした。
それにしても、育児放棄と虐待とかってどうして母親ばかりが話題になるのかしら。父親は一体どうしたんだよといつも思う。そして切なく子どもを見守るのは母親としてというのもなんとも解せない。子どものいない私には分からないところだけれど、父親の視点の作品というのも見たいなぁと思う。
#midnightswan #日本アカデミー最優秀作品賞 #日本アカデミー最優秀主演男優賞 #LGBTQ #草薙剛 #映画