猫に学ぶ

ボクシングに八重樫という選手がいた。世界チャンピオンだった人だから有名だが、音楽家の音楽論を読む人には縁遠いかもしれない。

この人が競輪の後閑というかつての名選手と対談しているのを読んだことがある。この選手も競輪界で有名だったらしい。

この2人のアスリートは偶然にも猫の動きに着目していたという。猫科の中でもチーターなのだそうだがしなやかで力強いからだろうか。

曰く猫科の動物の背中は彎曲している。それが大きなエネルギーを生む原動力なのだと強調する。後脚であれ程高く跳び上がる猫も二本脚で立たせた後には跳べないではないか、と。

そして大きなエネルギーを作り出すのは結局骨盤と肩甲骨周りなのだと言う。これは私がピアノ演奏に必要だと強調することと一致する。

日本で非常に多く言われることを守ると骨盤は固定され、肩甲骨周りは余りに弱々しくなる。

注目しておきたいのは、その結果かえって疲れないと両選手が言っている点だ。

例えば自転車を漕ぐ際、ペダルを踏むのではなく引き上げる脚を使うのだという。すると骨盤から放り出すような一種の加速を利用することが可能になると。これは私が好んで観る自転車ロードレースで解説者がしばしば語ることでもある。

言うまでもないがこれは直接ピアノ演奏と関係はない。しかし感覚的には大変よく理解出来ることだ。

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