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ジクアスLX点眼液3%の持続性②

ジクアスLXの持続性の続きです。
前回、審査報告書を読んで、たくさんのポリビニルピロリドン(PVP)で、粘度が高くなっていることが分かりました。

粘度が高いから持続するのでしょうか?

ジクアスLXの第Ⅲ相臨床試験の報告を見てみましょう。

HORI, Yuichi; OKA, Koji; INAI, Maya. Efficacy and safety of the long-acting diquafosol ophthalmic solution DE-089C in patients with dry eye: a randomized, double-masked, placebo-controlled phase 3 study. Advances in Therapy, 2022, 39.8: 3654-3667.

ポリビニルピロリドンは、そのポリマー構造に水を保持し、ムチンに親和性があることが報告されています [ 14 , 15 ]]。したがって、DE-089C の点眼後、ジクアホソルの薬理作用により患者の目から分泌された水とムチンは、点眼液中のポリビニルピロリドンと結合すると考えられ、患者の眼に水とムチンがより長く滞留する可能性があります。 DQS よりも点滴の頻度が低い期間。

https://link.springer.com/article/10.1007/s12325-022-02194-2

※google翻訳を通したものを引用しています。正確には原文をご覧ください。

参天製薬のジクアスLX発売記念特設サイトでの期間限定動画で研究開発の桃川さんが仰っていた、PVPとムチンがくっつくような話が書いてありました。[14,15]の引用論文についてはまだ読んでいません。
ここに書いてある持続性の理論によると、ジクアホソルにより増えたムチンがPVPとくっついて、ムチンの角膜での滞留時間が長くなるから1日3回のジクアスLXでも薬効が持続すると考えてよいようです。
ジクアホソルが長く滞留するんじゃなくて、ジクアホソルが増やしたムチンが長く滞留するということなんですね。

審査資料で投与120分後までの涙液へのジクアホソル残存量を見た資料で、ジクアスとジクアスLXで残っているジクアホソル量がそんなに差がないのに、なんで薬効が持続するんだ?と疑問に思ったのが少し解消されました。

ジクアスLX審査資料より

眼表面のムチンを経時的に定量し比較したデータはまだ見つけていませんが、面白そうなものがあったらまた追記します。

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