ちょっと変わった車窓の楽しみ方
乗り物酔いしやすい人にはあまりお勧めできないのですが、あくまでも話題の一つとしてお楽しみいただけば。というお話をひとつ。
風光明媚を誇る名勝地や、周囲よりもはるかに大きい容貌を示す建造物などといった、いわゆるだれでも目を見張るようなスポットに注目する。これは旅人はもちろんのこと、毎日毎週のようにそこを通る人にとってみてもタイミングによっては「おお」と目を向けることもあってしかるべき、当然の仕様であると心得ています。
一方で、何の変哲もない住宅地や単調な田園風景を見ていたところで、一部の関心の高い分野に触れる方々以外には見どころなど何もないじゃない?と感じるのも、これまた至極当たり前の感覚だと思います。
ただ、一定の条件が備わると結構目まぐるしく変化する様が面白いものが車窓にはあるのです。それは、自分が乗っている列車の“影”。
建物の壁や塀はもとより、距離や角度が合えば田んぼや畑でも自分が乗っている列車の側面がくっきりと映り続ける区間があちこちにあります。着席している位置によっては、表題の写真のようにパンタグラフがしっかりと映り込んだり、入射角が低めとなる冬期であれば車内の様子(座席の倒れ具合とか乗客のしぐさとか)も映り込むことがあります。
目まぐるしく変化するがゆえに、イメージ通りの写真を狙いうちするのはなかなか至難でして、その分うまく撮れるとちょっと嬉しかったりもします。
太陽の日光が相手となるため、同じ列車でも季節や天候によって見えるものは異なりますし、車両によっては窓の構造によって色合いが視覚のイメージと異なっていたり、座る車両の位置によっても影で反映される車両の形状が大きく影響する場合もあります。
変哲のなさそうな風景区間でも、実は飽きの来ない瞬間がたくさん詰まっているところかもしれない。そういったお話でした。
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。