【コロナ】もし感染して、治って学校に戻ってきたら、こうして迎えてほしい!という子どもの思い~2020年秋の授業をもとに~#204
おはようございます、tamamioです(^^)皆さん、「コロナ差別」を身近に感じたことはありますか?今は「ワクチン未接種差別」もありますね。
1 授業で使用した動画・日本とスペインの落差
昨年は、感染者・医療従事者に対する偏見や恐怖心が今より強く、結果「コロナ差別」が社会問題となっていました。
これから紹介する動画は、昨年春の「コロナ差別」のニュース動画です。日本のコロナ差別と、スペインの対応です。最後に救いがありますから、見てください。(約3分)
この動画を、昨年授業で使用しました。第3波が到来しつつあり、「いつ誰が感染しても不思議でない。その時、差別があってはいけない」と思ったからです。
2 「コロナ差別」授業記録(2020年3年生)
コロナ差別体験談のあたりで何度か動画を止め、「どう思う?」と子どもたちに聞きました。どの子も「こんなことをしてはいけない」「かわいそう」などの感想を発表しました。
2分40秒くらいのところで、スペインのマンションの動画に切り替わります。「あ、戻ってきたわよ、みんな」というところで動画を止め、次の質問をしました。
「ここはスペインのマンションです。今、車から、新型コロナに感染して治った人が降りてきました。住人はどうすると思いますか?」
子ども達は「う~ん」と考えていました。この流れだと、罵声を浴びせたりするだろうけど、tamamio先生がわざわざ聞くってことは・・・と深読みしている様子でした。この子たちとは2年の付き合いでしたから(^^)
いずれにしても、これまでのコロナ差別体験談の苛烈さに、子ども達は心を痛めていました。教室の空気も、子ども達の表情も重く、暗いものでした。
その後、動画を流した後の「えっ?」という表情。もちろん、動画を見ただけでは「何が起きているのか」察するのが難しい子もいます。ですから、ここも教師の解説が必要です。
「この人たちはね、『治って良かったね』『おめでとう!』って、みんなでお祝いしてるんだよ。だって、頑張ってコロナを治したんだもん。一緒に喜んであげてるんだよね」
そして子ども達に、感想を聞きました。まだ3年生なので、気の利いたことは言えません。「いい人たちだと思った」「優しいと思った」というような発言が続きました。
私は「もちろん、日本人全員が差別をするわけではない。逆に、スペインの人みんなが、こうして優しくするわけではない」と断ったうえで次のように言いました。
「またコロナが流行し始めて、いつ・誰がコロナに感染してもおかしくない。もし、友達が感染してしまったら、スペインのマンションの人のように、優しく迎えてあげられるようになってほしいと思います」
「絶対に、差別なんかはいけないよね。だって、もう治ってるんだもん。怖いことや心配することはないよね。治ってるんだから。『大変だったね』『よく頑張ったね』って、言ってあげられるみんなであってほしいです」
みんな、真剣に聞いてくれました。真剣過ぎて、ちょっとしんみりとした空気が・・・。
3 もし感染して戻ってきたら、普通に迎えてほしい
この空気、やりにくい!いつもの、楽しい空気に戻さねば!
あ、そうだ!「みんな、もし自分がコロナになって、治って学校に出てきたらどうやって迎えてほしい?こうやって、クラッカーとか鳴らしてほしい?胴上げとか、する?」とちょっと楽しい雰囲気で聞きました。
子ども達は、「え~」「そこまでは、ちょっと」と恥ずかしそうです。一人の男の子が「普通に迎えてほしい」と言いました。たぶんそれが、大多数の子の意見です。
「そうだね、じゃ、普通に『おはよ~』って言って、また普通に話したり、遊んだりしようか」と約束しました。シャイな日本人の多くは、こういう反応を望みますよね。
そして、「もし先生がコロナになって、2週間後に出てきても、やっぱり普通にしてね」と言って、授業を終えました。
この動画、授業記録は他の先生にも紹介しました。たくさんの教室で、授業をしてもらえたようです。
今、第5波が到来しています。今の子たちには、この授業は必要ないかなと思っていますが、自分の家族がコロナに感染し、ふと、この授業のことを思い出しました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!本日、夫がワクチン接種です。私も来週。早く収束することを願っています。
では、今日も素敵な一日を!
私の創作活動の糧は「読書」です。より多くの書籍を読み、より有益な発信ができるよう、サポートいただけると嬉しいです。