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【人間関係】教師の善意が「いじめの温床」を作っていた?~「教え合い」授業が成立する厳しい条件~#418

おはようございます、tamamioです(^^)皆さん、学生時代にどんな授業を受けてきましたか?楽しい授業だったことを、私は願うばかりです。

今回は、教師の私が「同僚の授業を見て感じたこと」を発信します。

1 その下地を作ったのは担任?

私は小学校教師で、6年生を担任しています。先日、隣の学級の担任と一人の男の子が話をしていました。男の子は泣いています。

後から担任に聞いてみると、男の子が「友達からバカにされている」と相談をもちかけてきたのだそうです。確かにその子は勉強ができません。私も以前担任していたので、よくわかります。

その学級の男子に、悪い子ではないのですが、考えなしの言動が「人を見下している」ように見える子が複数人います。その言動が、エスカレートしたようです。

確かに、実際に男の子を傷つけたのは、学級の男子です。が、その下地を担任が作っているのだとしたら・・・。

2 一見、助け合っているように見える光景が

その学級では、「教え合い」の授業スタイルを採用しています。例えば、算数の練習問題が早くできた子は、まだできていない子の席まで教えに行きます。

その授業スタイルを見た時「私は一度もやったことないけど、なんか子ども同士、遊ばずに、教え・教えられてるな。こんな方法もあるんだ」くらいの認識でした。

でもまさに、その「教え合い」が、「できる」「できない」を子どもの中にハッキリとランク付けさせ、できない子を見下す温床になっているのでは、と思いました。

実際、よく観察していると、「教え合い」タイムの時に、数人のやんちゃが、その男の子の席に行き、とり囲んでいます。口には出さないまでも「こんな問題もわからないんだ」と、そう思っていても不思議ではない。

この積み重ねが、いつ「からかい」「いじめ」に転じてもおかしくないと思うのです。

3 「できる・できない」を周知する授業は酷

私がずっと学んでいるTOSSでは、「学び合い」「教え合い」スタイルを推奨していません。その理由がまさにこれです。

子ども同士に「できる」「できない」の関係をハッキリさせ、固定化させてはいけない。ずっと教えられる子だって、毎回続くと屈辱。自己肯定感だだ下がりです。

特定の子が「できない」ことを、周知したり、白日のもとにさらしたりする必要はなく、そっと教師が支援してあげればいいのです。そういうTOSSの気遣いが、私は好きです。

4 教え合い授業が成立する、厳しい条件

「教え合い」スタイルを採用しても良いのですが、採用するなら、条件があるのです。

その学級が、お互いに認め合い、高め合える「全体集団期」に入っていることです。

学級が成熟していくには5つの段階があります。

1 緊張・混沌期
2 小集団期
3 中集団期
4 全体集団期
5 自治的集団期

この「4 全体集団期」に入って、初めて効果的な教え合いが成立します。「全体集団期」に入れる学級は、日本中で10%程度です。

日本中の多くの学級が「小集団期」、到達しても「中集団期」で留まる中、5月の今、「教え合い」をするべきではないのです。

表面上は「子ども同士が上手に教え合っている」と見える授業が、実はいじめの温床になっていた。恐ろしいことです。

やっぱりTOSSで学び続けよう、と思った一件でした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
今日も素敵な一日を!

私の創作活動の糧は「読書」です。より多くの書籍を読み、より有益な発信ができるよう、サポートいただけると嬉しいです。