【おすすめ本】目の前は地獄かもしれない、が「人生は生きるに値する」と信じたい ~『禅の言葉とジブリ』と『相棒』~
おはようございます、tamamioです(^^)メンタリストDaiGoさんが「生活保護」問題で炎上して久しいですね。
私は、生活保護や貧困問題と言われると、いつも思い浮かぶテレビドラマがあります。今回は、テレビドラマで知った貧困の恐ろしさと、現実と向き合うことを教えてくれた本を紹介します。
1 ジブリが好き過ぎお坊さん『禅の言葉とジブリ』
まず、本日のおすすめ本はこちらです。ドン!
先日の記事で『不要不急』という本を紹介しました。そこでお話されているお坊さんの一人・細川普輔さんの著書です。
この本は、ジブリ作品を愛してやまない細川氏が、ジブリ作品を「禅の視点」という切り口から語るという、ちょっと面白い本です。
2 『相棒』の神回&鬱回「ボーダーライン」
貧困の恐ろしさを知ったドラマは、意外にも『相棒』です。右京さんが事件を解決していく、あの国民的ドラマです。その相棒で、過去に「ボーダーライン」という回がありました。
個人のブログですが、この回のあらすじや貧困の恐ろしさがすごくよく伝わります。「ボーダーライン」をご存じない方は、この方のブログを読まれることをお勧めします。
また、ネットで検索したら「神回」「鬱回」の両方にランクインしていました。それほど多くの人に、貧困の恐ろしさを伝えた回だということです。
私はこの回を見て「出口のない感じ」「道を阻まれる感じ」を覚えました。
中でも、「資格を持っていても就職先がない。(中途採用は)実務経験がなければ雇ってもらえない」、「就職しようにも、住所がない。住所がなければ履歴書書けない。住居を構えるお金もない」など、
抜け出そうと必死になって伸ばした手を、ことごとくさえぎられる感じ。これで「絶望するな」「まだ頑張れる」と思う方が難しいです。
3 貧困は「自己責任」とばかりは言えないのでは
中心人物である柴田さんは、確かに「才覚がない」のかもしれません(演者・山本浩司さんもうまい!)。就職できなくても起業という道もあるし、資格を取るにしたって、もっと「使える」資格にすれば良かった。
でも、みんながみんな、そうはできない。愚直にコツコツ一生懸命。そういう風に正直に、まじめに頑張って、それでもどうしようもなかった。そういう人だってたくさんいると思います。
また、別のニュース特集で「ネットカフェ難民」みたいな若者が取材されていました。ネットカフェで生活して、そこから日雇いの職場に行く。
ここからどうやって、部屋を借り、住所をもち、安定した職に就き、という衣食住が保証された生活にたどり着けというのか。
多くの若者が「養護施設育ち。18歳になって「卒業」。もちろん実家には頼れない」人達でした。生まれ落ちた瞬間から、こんな境遇の人がいる。
やぱり貧困や生活保護の問題は、「自己責任」で一括りにしてはいけないと思うのです。
4 この世は地獄かもしれない。でも「人生は生きるに値する」と信じたい
ここで『禅の言葉とジブリ』に戻ります。この中に「『当処即ち蓮華国』と『火垂るの墓』」という章があります。
「当処即ち蓮華国」は「当処即ち蓮華国 この身即ち仏なり」と続きます。「今まさにこの場所を最高の場所と思うことができたなら、人生は幸せに満ち溢れている」という意味です。
え?この流れでそういう精神論?と思われるかもしれません。ただ、細川氏はこう述べます。
しかし、現実には決して切りひらくことのできない状況がある。(中略)そこで死ななければならないのは心のやさしい現代の若者であり、私たちの半分である。(太字・tamamio/p56)
私たちは自由で豊かで科学万能の時代に生まれ「頑張ればなんとかなる」「未来は自分で切り拓ける」と教えられて(刷り込まれて)きました。
ただ「現実」は違う。細川氏の言うように「決して切り拓くことができない状況」はあるのです。そしてそこで殺されるのは、柴田さんのような「心のやさしい若者」なのです。まさに「この世は地獄」なのかもしれません。
細川氏はこう続けます。
この禅語は、日常の中で自分の足もとをしっかり見なさいということに他なりません。目の前は地獄さながらかもしれません。それでも私たちは「今ここ、目の前のこと」としっかり向き合い、それが最高で最良であると念じて生きるしかないのです。(太字tamamio/p57)
最後の「最高で最良であると念じて生きる」ことは、禅の修行をしていない私たちには難しいかもしれません。ただ「目の前のこと」としっかり向き合うことはできる。
「目の前のこと」のとらえ方は、各人それぞれに違うと思います。柴田さんにとっては「騙され、裏切られ続けた世界」なのかもしれません。でももし「何が何でも生きていく」ことだとしたら。
自首して罪を償って、出所して静かに生きる道もあったと思います。右京さんが言うように「全力で助けを求める」方法もあったと思います。
だって「決して切り拓くことができない状況もある」のですから。努力して頑張って最善を尽くして、それでもダメだった人にも優しい社会であってほしいと思いました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後、全然まとまりのない話で申し訳ありません。それでも「人生は生きるに値する」と信じて、前に進みたいです。
では、今日も素敵な一日を!そして、Enjoy Summer!
私の創作活動の糧は「読書」です。より多くの書籍を読み、より有益な発信ができるよう、サポートいただけると嬉しいです。