『働き方改革』の教科書、決定版が出た【読書メモ】_03
『働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社』(著者:小室淑恵/毎日新聞出版)読了。
「働き方改革」に関する書籍は本当にたくさん出ているけれど、この本は決定版だと思う。
著者の小室さんは、「働き方改革」どころか、長時間労働の弊害すら、まだ社会的にほとんど認知されていなかった2006年に株式会社ワーク・ライフバランスを設立。当初、コンサルティングに入った企業からは、反発の声がどれだけ大きかったんだろうと思う。
そこから900社にコンサルティングを実施して、磨き上げ続けた具体的なコンサルティングノウハウを、びっくりするぐらい惜しみなく公開している。具体的なノウハウ → 20社(大企業、学校、官公庁、警察、監査法人、地方の中小企業、自治体まで!)の取り組み事例を紹介。
大切なのは、「自分たちのチーム・組織風土にあった施策かどうか」と「働き方改革の必要性をメンバー全員が腹落ちすること」。誰かから一方的に押し付けられた施策では、どんなに正しいものでもうまくいかないのです。
これ、本当にその通りすぎて。
ぶくぶくに太っていても、別に痩せる必要を感じていない人に、「これが正しいダイエット方法です」って誰かがいきなり押しつけても、絶対に反対されるわけで。
まずは取り組む一人ひとりに、必要性を実感してもらうこと。
そして、自分の時間の使い方を客観的に把握し、タイムマネジメント能力を鍛えていく。
同時に、チームの「関係の質」を改善して、お互いに信頼し、なんでも言い合えるチームにする(これ、できたらどれだけすごい)。
こういう基礎固めにしっかり取り組みながら、
働き方改革で身につけなければいけないのは、「一時的に早く帰るためのノウハウ」ではなく、「継続的に生産性高く働くノウハウ」です。
を実現していく。
実現できた会社が増えれば増えるほど、日本ってもっと幸せな国になれそう。人生100年時代、75歳ぐらいまでは当たり前に働く時代が来そうな中で、仕事に愛情も情熱も注げない人生ってつらすぎるもの。
文句なしの★5つ!
会社員みんな読んだ方がいいと思うけれど、とくにリーダー、経営者、人事には必読の書だと思う。
『働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社』(著者:小室淑恵/毎日新聞出版)
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