聖杯/カップのナイト
聖杯/カップのナイト
大まかな意味(正位置の解釈)
険しく高い山を前にした騎士が聖杯を手にして馬に乗っています。彼がこれから向かう先は平らな道のりを用意してくれるものではないのでしょう。今までに居た穏やかな河川や豊かな枝葉を湛えた土地を後にして、荒れた山を見つめています。完全に武装していてもおかしくはない状況ですが、彼は聖杯のみ手にして、軽装で目的地へと赴くようです。悪意はなく、平和という理想のために自らの心を示す「聖杯/カップ」をも相手に差し出すつもりなのでしょう。さながら和平の使者のようです。
このような理想主義や非暴力主義、平和主義は実現できればこの上なく良いことでしょう。人類の可能性を見るようです。同じ思想に共感し、心の底からお互いを敬い慈しみ合い、誰も傷つかないような世界を作る。ただし、実現するためにはそれこそ他のスートの「ナイト」や、力ある「キング」の助力がなければ難しい気がします。
「聖杯/カップのナイト」が文句なしにプラスに働きうる場面もあります。例えば芸術表現やコミュニケーションの巧みさを要求される場合、「聖杯/カップのナイト」は何かを伝えることに最も優れたナイトです。相手の心の奥底にまで入り込み、相手と理想や美しいものを共有して夢を見るような気分にさせてくれるでしょう。そういったセンスや優しさにかけては、全ナイトの中で最も秀でていると言えます。
★大まかな意味:人間関係の始まり、好意的な人物からの接近、芸術家肌な気質が強い人物、好意的な交渉条件
★人間関係/恋愛上の意味:ロマンチックな時間を共に過ごしたいと思っている、芸術鑑賞や風光明媚な土地への観光などに行きたいと思っている、気持ちを語らう時間を持ちたいような気分
日常における物事との関連:「大まかな意味」「人間関係/恋愛上の意味」とほぼ同じ。絵画や芸術に関わる訪問販売や営業なども考えられる。バイヤーや美術商の類など。
逆位置
逆位置になると、「聖杯/カップのナイト」の未熟さが露出します。「ナイト」は「ペイジ」の次の段階を示すもので、この「聖杯/カップのナイト」が受け継いでいる未熟さに「聖杯/カップのペイジ」の逆位置の甘さがあることが窺えます。相手に自分の欲求を満たしてもらうことばかり考えてはいけません。顔色を過度に気にしすぎるのも、合わせてしまうのも、何かを決められないのも、自分の幸福の定義をはっきりさせていないかそれを得るための努力をしていないからです。逆位置になった「聖杯/カップのナイト」は、色事や人間関係にだらしない人、自分で自分の感情の責任を取らない人、感情が極めて主観的で、完全な共有があり得ないということを知った上で行動することをしない人を指し示すことが多いです。ただし「聖杯/カップのナイト」を得ている以上、甘く優しいところがある人であることは間違いないでしょう。それが例え一時的、刹那しか保たない優しさだとしても、癒される人は多いはずです。ですが、そこに本質はありません。理想だけを語る空疎さしかそこにはないのです。この「ナイト」に魅了される人も、あるいはこの「ナイト」の逆位置を得てしまっている人も、どうかそこに気付ける強さを持ってください。
★大まかな意味:好意的だが何か裏に事情がある人物、寂しさを埋めるために他人を利用する人物、下心や二心ある取引先、下心が勝る状態
★人間関係/恋愛上の意味:「大まかな意味」とほぼ同じだが、特にプレイボーイ・プレイガールを暗示することが多い。この人物が色事に関して清廉ではない可能性が高いので、気をつける必要があります。恋愛関係ではないか相手の誠実さがわかっている場合は“感情を語らうような/あるいはロマンチックな交流がしたいがやり方がわからない、癒されたいが自分からは声をかけられない”心境を示すことが多い。
日常における物事との関連:下心のある人物、憂鬱な心境に陥っている人物、人と関わりたい欲求が強いが表に出せない人物、内部に問題があるためによく注意する必要のある商談
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