聖杯/カップのペイジ
聖杯/カップのペイジ
大まかな意味(正位置の解釈)
黄金の大地の上で、1人の人物が自らの持っている聖杯の中を覗き込んでいます。見ればそこからは魚が顔を出しており、偶然の邂逅にペイジがにっこりと微笑んでいます。人物の服装自体も魚のようで、チュニックには蓮の花があしらわれています。魚は無意識の領域で泳ぐ感情や善意を暗示します。(鮫やワニなどの獰猛な生物は悪意や危険を示すこともあります。)蓮の花に関する説明は「聖杯/カップのエース」を参照してもらいたいですが、この花をあしらった装束を纏っているペイジは「キング」や「クイーン」の“醜いものを知った上でも綺麗な心を咲かせる人であって欲しい”という願いを受けているようです。背景に見えるやや荒い波濤は揺れ動きやすいこの人物の情緒や直感、芸術的感性を示します。まだ心の領域に属するこれらの要素を乗りこなせていないこと、また甘く優しい関係や高い理想に対する接し方、自他両方の感情の扱いが未熟であることを示します。心根は清らかで可愛らしい人物や状態を示しますが、「聖杯/カップ」の幸せがそもそも全てのスートの条件が揃っていなければ成立しないという点を理解していないのが心配なカードです。
「棒/ワンドのペイジ」の朗報や予期せぬ幸運の暗示と類似しますが、特に「聖杯/カップのペイジ」は精神的な分野や芸術活動、対人上の良いニュースの到来を暗示することが多いです。
★大まかな意味:相手との関係に夢を見ている状態、芸術活動の始まり、何かに感動する心を誰かと共有したい状態、愛や人間関係の意味をよく分かってはいないが興味のある状態(悪く言うと恋に恋する状態)
★人間関係/恋愛上の意味:「大まかな意味」とほぼ同じ。
日常における物事との関連:若く芸術家肌の人物、心根に悪意はないがやや甘えた部分のある人、小学校〜高校までの学生や彼らを担当する教諭など
逆位置
逆位置になると、「聖杯/カップのペイジ」の感情に対する無責任さが露呈します。確かに心とは他人と自分との間で揺れ動くもので、自分の理想や価値観、感情を相手が受け取ってくれないと幸福は成立しません。かといって、他人が自分の行為や感情を受け取ってくれない不幸に浸るだけでいるのはいかがなものでしょうか。「聖杯/カップのペイジ」の自分の行動や現実、知性を顧みない甘さが特に出ている場面になります。単に人間関係や仕事での経験が不足していて人格が練れていないのかもしれませんが、自分の機嫌を取るのは本来自分の仕事です。よしんば誰かに助けを求めるにしても、荒れる波濤を自ら鎮める気でいなければ何事も成せないでしょう。一本覚悟を通すことが必要な時です。それこそ「棒/ワンド」、「金貨/ペンタクル」、「剣/ソード」のいずれかの力の補強が必要かもしれません。
★大まかな意味:怠惰、甘え、無責任、自分の気分に振り回される精神的に未熟な状態、憂鬱
★人間関係/恋愛上の意味:「大まかな意味」とほぼ同じ。何かしらの理由で精神的な欲求が満たされておらず、人間関係に前向きではない可能性を示唆することが多いです。本人に寂しさや甘えはあるので、関係構築に向けた意欲はあります。
日常における物事との関連:精神的に憂鬱になっている人物、士気が低い状態、人と関わりたいものの精神状態が良くないためにうまくいかない人物
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