聖杯/カップの3
大まかな意味(正位置の解釈)
3人の女性と思われる人物が杯を掲げあって、“乾杯!”とでも言っていそうな雰囲気の只中にいます。右側の橙色の衣の女性は左手に葡萄を持っており、またその花冠も葡萄の蔓で編んだもののようです。このカードは絵の通り、宴席や多人数での交流、友情を示すカードです。左側の白い衣の女性はこの会の主催者でしょうか。一番高く杯を掲げ、満足げな表情で交わされる杯を見ています。ただし、一番手前の赤色の衣を纏った女性だけ顔が伺えません。本当に楽しい宴の場ならば空が金色に塗られていてもおかしくはないのに、水色に塗られている点が奇妙な冷静さを感じさせます。更に、手前の顔の見えない女性の存在はこういった社交の場に出る人物はそれぞれ違う思惑を抱えていることを示しているようです、また衣の生地の違いや地位を示すマントの有無、花冠の種類の違いから、立場や権力、経済状況も違うと見ることができます。思惑や立場が違う彼女たちが楽しく交流するには、一定の冷静さや付かず離れずの距離を取る心理が必要なのかもしれません。しかし、基本的には楽しい場であるはずです。彼女たちの足元には花が咲き、実を付けている植物もあります。人と人との交流が楽しく、祝福される、実りあるものであることを示すカードです。
★大まかな意味:多人数での楽しい社交(内心は冷静であることが多い)、意図や立場の違う者同士の楽しい社交、パーティや3人以上の会合での楽しい経験、友人的な毛色が強い楽しさ
★人間関係/恋愛上の意味:「大まかな意味」と同様だが、外に出かけたり一緒のゲームに興じたりすることで得られるワイワイとした楽しさを求めている心境が増幅される
日常における物事との関連:パーティ、飲み会、社交の場、交流会、部活や同好会などの多人数での社交、お酒の席、立食パーティなどが絡む表彰式など
逆位置
逆位置になると、いよいよ参加者の思惑の違いがやましいものに見えてきます。何のために手前の人物は顔を背けているのでしょうか。その赤いマントは本当にただ高い地位や情熱を示すものでしょうか。大アルカナや他のスートのカードの赤色が示すように、闘争や致命的な喪失を示す赤ではないのでしょうか。一番身軽な服装をしていた白い服の女性は無事でしょうか。葡萄の冠や葡萄は芸人や芸能人を示すこともありますが、同時に狂気を司る神の被り物でもあります。それを戴いていた橙色の衣の人物も人を酔わせる狂気に侵されてはいないでしょうか。「聖杯/カップの3」逆位置はそうした怪しい思惑が渦巻く社交の場や感情的に噛み合わない交流、今ひとつお互いが冷めた目で見つめあっている状況や関係性を示唆しうるものとなります。地面で実を付けていた植物も、割れてしまっては食べられることはなく、ただ踏み荒らされて土に還るだけでしょう。
★大まかな意味:非常に表面的な社交に留まっている冷淡な付き合い、腹の中が全員異なるいやらしい会合、腹黒さを感じさせる人間関係、面従腹背の敵同士が友人同士に見せているような偽りの多い関係、嘘と偽りの関係、見た目ほど仲が良くない組織や人間関係
★人間関係/恋愛上の意味:「大まかな意味」とほぼ同じ。ただし、人間関係においては(剣/ソードの5や剣/ソードの10などの攻撃的なカードを伴う場合)仲がよく見える友人グループ内で巧妙に隠蔽されているいじめを暗示しうる。また、恋愛関係においては第三者の介入、浮気や裏切り、ひどい場合は不倫など。
日常における物事との関連:「大まかな意味」と「人間関係/恋愛上の意味」と同じ。稀に、会食や会合などで渡される賄賂、カルテル行為、セクハラやパワハラを伴う過剰な接待など
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